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第131話

寝室に入ったのと同時にブブっと携帯が短く震えた。画面を確認してみたら早河からで”大丈夫か”という意味不明なメッセージが届いていた。 理解ができなかったから”何が”と返事をしたら、”いい”とだけ返事が来て、いや、だから何が?と不思議に思ったけど、早河がいいならいいや。目を冷やし終わったユキがネムネムって言うから、ベッドに入る。 「ちゃんと布団かぶれって」 「んー…」 「ユキ、ちゃんと中に入る」 「命は…?」 「俺も入るよ。でもお前が掛け布団の上にいるから入れない」 そう言うとモゾモゾ動いて掛け布団の下にちゃんと寝転んだユキ。俺もユキの隣に寝転んで、ユキが擦り寄ってくるのを可愛いなぁなんて思いながら軽く目を閉じた。 少しして、ユキが眠ったのを確認してからベッドを抜けて冷蔵庫からビールを取り出す。 「…はぁ」 やっぱりちょっとだけ苦しい。ユキがいるからって罪悪感が全てなくなるわけじゃない。早河はこのことを心配してくれていたのか。机に伏せるとまた携帯が震える。今度は長かった。画面をみたら赤石からの電話で。 「…はい」 「みっちゃーん、赤石だよ」 「知ってる…何だ」 「早河から聞いたよー!芦屋のこと。みっちゃんの事だから自分を責めてるんじゃないかと思ってさ、チャンスだったのに!とか言って」 「……………」 「図星か」 ビールをまた口に含む。ユキが来てからはあまひ飲んでなかったな…何て全く別のことを考えながら。 「みっちゃん、明日俺に付き合って?」 「仕事があるだろ」 「早河がさ、多分命は自分を責めてるから。とかなんとか言ってストレス発散も兼ねてどっか行ってこいって休みくれたよ。みっちゃんのことになると早河は優しいね」 多分早河は俺のことを弟みたいに思ってくれてる。俺も早河を兄みたいに思ってるし、あいつは優しいからついついそこに甘えてしまう。 「ユキがいる」 「トラに預かってもらおう、明日だけ。」 「ユキはお前をあんまり好いてない」 「秘密にしたらいい」 秘密、かぁ。 「……明日だけだ」 「うん!じゃあ、10時くらいにみっちゃんの家行くね」 「わかった」 たまにはそう言うのもいいのかもしれない。ストレスはほとんど溜まってないけど、気分転換は大切だと思って、赤石の誘いに乗った。

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