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第135話 ユキside
今日はトラさんのところに早河さんがお迎えに来てくれた。なんで命じゃないんだろう?そう思っていることが早河さんにはわかったのか、ほ僕を見て困った顔をする。
「お酒飲んでるから車でお迎えに来れないんだ。だから今日だけ俺に頼んできたんだよ」
「僕のお家、帰る…?」
「ああ、ちゃんとユキくんと命のお家だ。」
早河さんの車に乗って僕はお家に帰った。
お家に帰ると命が「おかえり」って言ってくれた。ギューってしてからお弁当箱を渡して、シロくんの絵を見せたら誉めてくれたんだぁ。
でもなんだか命が変、いつもの笑顔じゃなくて僕はどうしたのかなって不思議に思っちゃう。
「命、どうしたの…?」
「え?」
「命、何だか変…」
命の頬っぺをペチってすると目をおっきく開けてる。それからふんわり笑って僕の頭をクシャクシャ撫でた。
「…ごめんな」
「なんで謝るの…?」
「なんでもない」
強くギューってされて僕も命にギューってする。命のいつもの匂いに安心してたら大きな音が聞こえてきてビクって震えた、何の音…?
「赤石テメェッ!!」
「ハハッ…急に殴るのは酷いよ」
早河さんの怖い声と赤石さんのいつもより元気のない声。どうしたの?…殴る?早河さんが赤石さんに痛いことしたの…?
「ユキ、シロと一緒にベッドの部屋いってろ。」
「なんで…?早河さん怒ってるの…?」
「…ああ。早河は怒ったら怖いから、お前は部屋行ってな。」
「うん」
命にお部屋につれていかれて僕はそこで静かに待ってることにした。命のお顔がちょっと怖くなってたけど僕は何にも言えなくてお口をぐって強く閉じた。
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