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第145話 ユキside
今日は何があっても一人で外に出ないことってって早河さんに言われて、一人で絵本を読んでた、僕の大好きな本、命が買ってくれた本。
シロ君がいたらもう少し寂しくなくなるのかな。今の僕はひとりぼっちで寂しいし悲しい。
「……あと…どれくらいかなぁ」
命が迎えに来てくれるのは。
約束した日からもう何日も経ってるからお胸がモヤモヤして怖くてたまらない。ちゃんと約束守ってくれるよね…?
そうして絵本を読んでると玄関からガチャッと音がして早河さんかな、玄関に行っておかえりなさいをする。
「…ユキくんただいま」
「おかえりなさい」
「……命が怪我をしたんだ。今トラのところにいるんだけど、命の側に居てやってくれないか」
命が、怪我…?どこを、どんな風に怪我したの…?怖くなってブルブル震える僕の肩をポンって叩いた早河さんはちょっとだけ悲しそうな顔をしてる。
「…ユキくんの名前を呼んでたから、ユキくんがそうであるように、命もユキくんに会いたいんだと思う」
「ぁ、う…い、行きます…」
「ありがとう。」
急いでコートを着て靴を履いてお家を出た。早河さんの車に乗ってトラさんのところに行く。
そこには車がたくさんおいてあってビックリした、いつもはもっと少ないのに。
建物の中に入ると夕くんや赤石さんに、一回だけ会ったことがある八田さんと中尾さんがいた。でも、八田さんのお洋服がちょっと黒い赤色で汚れちゃっててそれが何かがわかったような気がして少しだけ怖い。
「あ、ユキくん…」
赤石さんが僕に気付いて手を振ってくれる、それに気付いて夕くんが僕の方を見た。
「命は…?」
「みっちゃんは…疲れてお休みしてるよ」
おやすみ…そっか!寝んねしてるんだね!ちょっと疲れちゃったから休憩してるんだぁ。
「ユキくん、命のところ行こうか」
「うん」
早河さんとお手手を繋いで命のお部屋に向かった。
お部屋に行くと白いベッドの上で点滴をしてる命が眠ってた。優しい顔をしてて、僕は久しぶりに命に会えて嬉しくて「命、命」って呼ぶけどお目目は開けてくれない。それにお顔が蒼白くて何だか怖くなってきた。
「…早河さん……この人…本当に命…?」
だって命は僕が呼んだらどうした?って言ってくれるし、いつも大きな手で僕の頭を撫でてくれる、なのに今日は返事もしてくれないの。
「ちゃんと、命よ」
早河さんが話してくれなくて、いつの間にか、お部屋にいたトラさんが教えてくれる。
「命ね、背中を刺されたの。血の量がすごかったけど何とか助かった。もうちょっとしたらきっと起きるわ」
そう言ってトラさんが僕の頭を撫でる。もうちょっと…ちょっとってどのくらいなのかな。
「命、僕、待ってるよ」
眠ってる命に話しかける、命のお口が"ユキ"って動いた気がした。
命が起きるまでここにいていいって言われて僕はその日、命の隣のベッドで眠。、一人のベッドは広くて少し寂しかったけど命がそこにいたから我慢できた。
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