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第152話

「カルボナーラ……!」 テーブルにパスタを置くと嬉しそうにピョンピョン跳ねるユキにちゃんと座るように言うと素直にそれを聞いて席についた。 「いただきます!」 「ゆっくり食えよ」 慌ててフォークをとったユキに先にゆっくり食べるようにと注意すると、にっこり笑ってから口にパスタを運んだ。だけどその量が多かったみたいで無理矢理口の中に入れたから、口の端にソースを付けている。 「ソースついてるぞ」 「んむぅ、」 口を動かしながらソースを拭って、またパスタを口に運んで端にソースを付けて…ソースもそうだけど…口に含みすぎてリスみたいになっている。 「一回に口に入れる量をもう少し減らせよ。リスみたいになってるぞ」 「んー…」 うんうん頷いたユキに微笑むとユキもニコニコ笑った。 「ごちそう、さまでした…」 けふっと小さく息を吐いてソファーに座るユキを見ながら俺は珈琲を飲んでいた。 「…命…」 「ん?」 「……お膝、行っていい…?」 ソファーの背凭れに半分顔を隠しながら俺を見てくる。笑って「いいよ」と言ってやると小走りで俺のところに来て膝に登ってきた。 「あのね、僕…寂しかった…」 「ああ」 「甘えたさん、してもいい…?」 「いいよ」 胸に頬を寄せて力を抜いたユキが目を閉じる。ユキの重さが愛しくて可愛くて…強く抱きしめた。 そのまま俺の腕の中で眠ったユキを抱きあげ、立ち上がりソファーにユキを降ろす。 気持ちよさそうに寝るユキに寝室からとってきた毛布を掛けてやった。そこにシロが駆けてきてユキの隣に丸くなる。可愛いなぁと頭をふわふわ撫でるとシロがニャーと鳴く。 「…ニャー」 たまにユキはシロが鳴いたときに同じようにニャーって鳴き返してるのを思い出して俺も言ってみるけど、これ…すごい恥ずかしい。誰も聞いてないよなって焦るほど。 「…俺も寝よ」 ソファーはユキとシロが使っているから、床にごろんと寝転がった。目を閉じるとすぐに眠気が襲ってくる。 起きたらちゃんと家事しないと。 そう思いながらも半分はもう夢の世界にいっていた。

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