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日向×瑞季(その1)

瑞季がくるくるとキッチンを動き回り、いい匂いが充満している。 「日向ぁ、もう少し待っててね!」 かわいい伴侶の屈託のない笑顔に胸を撃ち抜かれる。 うん、いいよ と敢えて平気そうに答え、瑞季の動く様をじっと見ている。 あんなに一生懸命に俺のために料理をしている… あー、火傷するなよ…ハラハラしながら見守るが、そのうち満面の笑みでテーブルをセッティングし始めた。 「俺も手伝うよ。」 「ダメ!いいから、日向は座ってて!」 キッチンから追い出されて、また座らされ、手持ち無沙汰に瑞季を目で追いかける。 「日向!できたよー!どうぞ。」 「うわっ!豪勢だな…瑞季、頑張ったな…すごいよ…美味そうだ。早く食わせてくれよ。」 えへっ とくすぐったそうに笑う瑞季にキスをしてありがたく食事をいただく。 俺のために学生時代からお袋に教えてもらい、料理教室に通ってその腕を上げ、今では和洋中何でもござれの瑞季。 「「いただきますっ!!」」 「お前、また腕を上げたんじゃないか?」 「うふふっ。翔さんにお願いしてレシピをもらって作ってみたんだけど。」 「えっ?直接翔に?」 何か黒い感情がずくっと生まれた。 「違うよっ!智君経由だって。直接なんて恐れ多いよ。」 なんだ。ホッとした。 「…日向…?まさか…ヤキモチ?」 えっ?ヤキモチ?俺が?固まる俺に瑞季が微笑んだ。 「日向がヤキモチ妬くなんて…何だか…うれしいかも… ふふっ。僕、片付けてくるね。」 ヤキモチ…ヤキモチ…そうか、このモヤモヤはヤキモチなんだ。 俺ってこれくらいのことで独占欲丸出しじゃんか。 「ごめん…俺も手伝うよ。」 微妙な空気の中、二人で片付けると、瑞季はそのまま朝ご飯の準備を始め、その間に俺は風呂を先に済ませた。

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