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悠真×晃星(その2)
誰もいない廊下を指と指とを絡ませて部屋へと急ぐ。
所々に防犯カメラがあるだろうが、そんなことお構いなしで。
ドアを閉めた瞬間、晃星を抱きしめてその唇を奪う。
ううっ、うっ、ふっ
スーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイをしゅるりと外すとワイシャツのボタンを一つずつゆっくりと…
「待って、待ってくれよ悠真…シャワー浴びさせて…頼むから。このままはイヤだ。」
息を弾ませ、晃星が懇願する。
切なげな瞳が揺れ、そんな潤んだ目で見つめられたら、俺は…
「…わかった。順番に入ろう。俺、先に行ってもいいか?」
頷く晃星に、ちゅっ と大きなリップ音を残し、脱ぎ捨てた二人分のジャケットとネクタイを拾い上げ、ハンガーに掛けてからバスルームへ向かった。
綺麗にしてから…という、口に出さない晃星の気持ちが痛いほどわかる。
受ける側は、いろいろ準備もあるし、大変なんだ。
短時間で俺も身体中を綺麗にして、バスローブを羽織った。
あ…ローションがなかったな…舐めて濡らしてやればいいか…
あれやこれやと思いを巡らせているうちに晃星が、ほんわりと湯気を纏ったまま側にきた。
いい匂い…
待ち兼ねた俺は、晃星を抱きかかえると、ベッドルームへ急いだ。
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