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第20話

その夜は、彼はそれ以上なにもしてこなかった。 身体に当たる性器の固さから彼の昂ぶりははっきりとわかったが、それでも、彼は何もしなかった。 恋人であることをセックスで証明しろといったのに。 自分の欲求を押し付けても、証明はできないと思ったのだろうか。 それどころか、「ごめん」と彼は言った。 「傷つけたくはないんだ。ここに一緒にいて欲しい」 何もしなかったが、広瀬が寝室からでるのは許さなかった。彼の腕が絡みついたまま広瀬は目を閉じた。 その夜、眠りは浅かった。 東城もそうだろう。

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