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第25話

広瀬は手のひらで東城の身体に触れながらきいた。身体の形は同じなのに、記憶が戻っただけでどうして違うのだろう。 「どうやって思い出したんですか?」 東城は、首をかしげる。 「わからない。今朝、起きてみたら、思い出してた」 彼の下腹部に手をやるとそこは立ち上がっていて、広瀬の手にさらに硬さを増した。なでていると先端が濡れてくる。 広瀬はかけ布団をはぎとると、身体の位置をずらしそれを口に含もうとした。 彼の好きにさせながら、東城が言葉を続ける。 「ずっと、思い出したいって思ってたから。ほら、あるだろ。言葉がすぐそこまででかかっているのに、思い出せない時って。あんな感じ。なんだったろうって思ってて。ふと、思い出す」 広瀬は、口を止めた。 「そんな、簡単な?」 「いや、お前。簡単じゃないだろ。すげえ辛かったんだから。お前はずっと怒ってるし、でも、思い出せないし。焦るし」 「怒ってはいません」 「怒ってたよ。プリプリしてた」 彼は、そう言うと喉の奥で笑った。それから、広瀬の手をとり、再度自分の性器に触れさせる。 「続き、してくれないのか?」 広瀬は、優しく彼に触る。 「怒ってなんかいません。心配してただけです」 「心配してるのか、怒ってるのか、わかりにくいんだよ」 反論しようかと思ったが、急に彼が軽々と体勢を変え、広瀬に覆いかぶさってきた。 上から見下ろされて、キスをされる。ゆっくりとされると気持ちよくなって、足を彼の腰に絡めた。 身体を密着させようと腕を首に回したとき、枕もとで広瀬の電話がなった。東城は広瀬の上から身体をどける。広瀬は手を伸ばし電話をとった。 大井戸署からの緊急を告げる電話だった。会話中東城はこちらをみていた。職場からの電話の場合、お互いに相手の身体には触れないことにしている。重要度の高い暗黙のルールだ。 電話が切れると広瀬はベッドから滑り降りた。 「行くのか?」 うなずくと、彼は広瀬の頭をなで、軽く唇を合わせた。 「惜しいな」 広瀬は東城を再度ぎゅっと抱きしめた。戻ってきたのは、夢ではない。現実なのだ。

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