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僕には勿体ない
彼は今、先程の授業で気になった問題を質問しに来ている
説明した後、ちょっと解くから待っててと言われたので、僕は彼の解答が出るのを待っている最中だ
真剣な顔で問題に向き合っている彼は、しっかり考えながら解答を紙に書き込んでいく
いくら僕の授業で寝ているとは言っても、彼は家での勉強をかなり頑張っているらしく、僕の授業の小テストは毎回満点だ
定期テストでも学年1位、きっと次の模試もそれなりにいい判定が出るだろう
前の進路相談では、彼はまだ志望校は決まっていないと話していたので、どこを目指すのかはまだ知らない
けれど、きっとかなりレベルの高い所を目指すのだろうということだけは分かる
僕には勿体ない子だよな…
最近つくづくそう思うのだ
容姿端麗、頭脳明晰、さらに気も利くし優しいときた
彼にはもっと素敵で、それでいて彼の心を安らげてあげられるような女性が似合う
今でもそうだけど、この先もっと素敵な男になって、色んな女性に言い寄られること間違いなしだろう
なんて、彼を見ながら考えていると、顔を上げた彼と目が合った
少し驚いて、ハッとした僕を見て彼がどうしたのと聞く
「何でもないですよ
それより、答えは出た?」
考えていたことがバレたかと、少し焦ったけれど、彼が素直に解答を見せてきたので、落ち着いて添削をする
「…うん、全問正解、流石だね」
彼は得意げな顔でにっこり微笑む
「先生の教え方が上手だからだよ」
なんて言いながらこっそりウインクまでしてきたものだから、不意をつかれて少しどきっとしてしまったことは内緒だ
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