家に帰ると、ドアの前に人がいることに気付いた それは、先程までもう会えないと思っていた彼だった 「…え、なんで君が…」 狼狽える僕に、彼は微笑み 「さっきぶり、先生。でも、こうして2人きりで話すのはいつぶりだろうね」 本当に久しぶりだ、彼のこんな笑みを見たのは とりあえず家に入れてよという彼に従って、ドアの鍵を開けて彼を招く ふと、前に彼が家に来た時のことを思い出して泣きそうになるけれど我慢する 前と同じ場所に座った彼は、僕が出した温かいお茶を飲んで、今度は間が開くことなく、急に立ち上がって紙を開いた