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僕の卒業式、そして…2
突然意味深なことを言い出す彼は、それを口に出してから、しまったという顔をした
「え、それはどういう…?」
「あー、まぁ、その、ね…あはは」
彼にしては歯切れの悪いセリフだ
もしかして…
僕が、本当に他に好きな人が出来たと思っていた…?
「樹さん、明らかに無理してるって感じだったし、嘘だって信じてたけど、それでもやっぱり、少し、心配だった
だって、もし本当に好きな人が出来たなら、それを応援するのが、俺の役目、でしょ?」
途切れ途切れに言う彼は、俯いて、微笑みながらも少し震えている
彼はそういう人だった
夢の中でも、彼は僕のことを想って離れようとした
だから引き留めたのだ、それは僕の支えにはならないと、隣にいて欲しいと
そっと彼に近づいて、俯く彼の背中に手を回す
彼を元気づけたくて、少し恥ずかしいけれど、勇気をだして、夢の中で叫んだ言葉を改めて声に出す
「…っ僕が好きなのは……ずっと…っ蒼士くん…です…!」
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