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第3話
今日も慌ただしい一日が始まる。
「おはようございます。」
白衣に身を包み、スタッフに挨拶をする。
今日は夜までの勤務だ。
「おはようございます」
「おはよー」
「おはよう」
「はよー」
男女様々な声が響き渡った。
小児科医としての1日の始まりだ。
申し送りが終わり、カルテに目を通す。
ひと通りの確認を終え、ファイルを纏めて病棟の巡回に出る。
「失礼します。」
病室の扉を開け、子供のベッドに近寄る。
「おはようございます、翔くん」
彼は小児ガンで、もう1年程入退院を繰り返してきた。
ガンは骨まで転移しており、完治は難しいだろう。
しかし、彼はいつも明るく笑っている。
「せんせぇ、おはようございます!」
ニコニコしていて、本当に可愛らしい。
何故こんな子が、こんなに苦しまなければならないのか…運命は残酷だと思う。
巡回も全てこなし、カンファレンスの後はカルテを整理し書類作成をする。
帰宅は少し遅くなりそうだ。
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