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第4話 画像流出
「斎藤将生くんだっけ?・・・何歳?」
「え、二十歳ですけど。」
僕は、何を正直に答えてるのでしょう。
「成人ね、さて大人の交渉。さっき撮ったやつ、間違えて流出しちゃうなんて事がないとも言えないよ・・・ねえ」
「え?」
「いやいや。万一の話ね。画像流出しちゃったらって話だよ」
「ど、どういう事でしょうか」
自分でも血の気が引いていくのが分かります。それって・・・。
「今日一日の経費もかかる事だし・・」
これを脅迫と言わなくて何というんでしょう。
「ど、どうすれば良いのでしょう」
「おい、丸山。契約書もって来い」
「はい、これ契約書。ここと、ここに名前書いて。現金で、三本で」
監督が指を三本立てました。三万円……大学生にしては大金。それにあれが出回った日には生きていけないことは間違いありません。
「顔、絶対わからないですよね」
念を押しました。
「おーい、誰かメイクしてやって」
長くなってしまい顔にかかっていた髪にハサミが入りました。半分顔を隠していた髪がなくなりました。ワックスで仕上げられ茶色いスプレーをかけられて髪の色も変わりました。
ハサミが、今度は目に向かってくる!と思ったら眉毛が揃えられました。
「どう?」
鏡見せられてビックリ。え?誰だこれ?本当に僕の顔?
「お、可愛いね。さすが香月ちゃん。見る目あるね。いい原石。肌の色も綺麗だし。こりゃいけるな」
こんな情けない格好じゃなきゃ、かなりいけてるような気が!あ、喜んでどうするのでしょう。
「やっぱり思っていた通り。楽しみ」
綺麗なその男優さんは嬉しそうです。何の楽しみですか、怖いです。何をどうやってやるのかさえわかりません。
「監督、今回の設定だと無理だよね。この子始めてだし。調教ってのは」
「そうだな、後で編集で撮ったとこ何とかするけど。初体験ものってことで。香月ちゃん、腕の見せ所だね」
「じゃあ、張り切らせてもらおうかな」
僕を余所に話が進んでいきます。どんなことするんですか?これから何をするのでしょう。
「じゃあ始めようか。こっち来てちゃんと洗浄するから。やり方知らないでしょう」
洗浄?体を洗うんですか・・・?自分で洗えますよ?
ずるずると笑顔の香月さんにバスルームに引き摺られていきました。
この先は・・・言えません。ええ、誰にも絶対に。
あんなに情けない思いをしたのは生まれて初めてでした。
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