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第6話
僕はシャワールームに横たわっていた。
涼くんは自分のボディソープを持ってきて、僕のどろどろになった体を洗ってくれた。
それから、自分が出した精液を掻き出してくれた。
「ももちゃん、ごめんね…やり過ぎた…」
涼くんはしゅんとしている。
涼くんのせいじゃないんだけどな…。
どちらかというと、僕が誘ってしまったのが悪い。スイッチが入ると、誰彼構わず誘ってしまう癖みたいなものが僕にはあった。
白馬くんも言ってたけど、我ながら本当に淫乱だ。
涼くんにフェラをした後、まだ元気な涼くんのモノを慰めてあげようと思って、僕は自分のお尻を差し出した。(もう既にスイッチは入ってしまってた…)
最初は躊躇っていた涼くんも、一度入れてしまったら後はもう勢いだ。
一心不乱に腰を僕のお尻に叩きつけていた。
何回したか分からないくらい、涼くんはたくさん出した。やっぱり若さだなぁ…。
エッチしている途中、涼くんは僕の名前を呼び続けていた。
「ん…っ、ももちゃん、ももちゃん!大好き…っ!」
その切ない喘ぎに、僕は応えてあげることができない。
「涼くん、自分で後のことはするから、もういいよ…?」
「だめ。俺がちゃんと最後までする」
「もう十分してくれたよ?体まで洗ってくれて」
「だって、ももちゃん体洗いに来たんでしょ?あいつらに襲われたから」
あいつらとは生徒会の子達のことだろう。
やっぱり知ってたんだな。
「あいつら…やったらやりっぱなしで…ひどいよ。ももちゃんは玩具じゃない」
「……涼くん、ありがとう」
「俺は、ももちゃんのこと、大切にする。ちゃんと後始末もするし、寂しくてもずっと傍にいるから」
涼くんは真っ直ぐな瞳で僕を見つめた。
「ありがとう。でも、ごめんね…やっぱり涼くんの気持ちには応えてあげられない」
「………うん」
小さく涼くんは頷く。そして、僕の体を綺麗に洗った。
何もなかったように。
涼くんとお別れをして、生徒会室に向かった。
もうここに紫音くんがいなかったら、心当たりはもうない。
「紫音くん」
生徒会には赤い絨毯が敷いてあって、生徒会長の机が一番奥にあり、その左隣に生徒会副会長の机、右隣に部活統括長の机、手前に書記と会計の机があった。
がらんとしたその部屋に紫音くんはおらず、夕陽だけが差していた。
仕方ない…あとで電話でもしてみるかと、うなだれていると、視界が暗くなった。
誰かに目を隠されたらしい。
「だーれだ?」
大きな手に、低い優しい、どこか人懐っこい声。
「紫音くん?」
僕が答える。疑問系になったけど、確信していた。
視界が明るくなり、背中に重みを感じた。
「当たり」
白い肌に、美しいブロンド、アメジストの瞳、すっと通った鼻、薄い唇。
完璧な顔が、すぐ真横にあった。
どうやら僕は後ろから抱き締められているようだ。
出会って始めのころは、こういう行動にどぎまぎしていたが、今はこういう行動含めて、可愛いなと思える余裕が出てきた。
…もう卒業だけど。
「紫音くん…よかった。会えないかと思った」
「俺を探してたの?」
「そうだよ。色んな所探して、大変だったんだよ」
「ふーん」
紫音くんは僕から離れると、一番奥の生徒会長の机に腰かけた。
長い足を組んで、腕組みする様子は行儀が悪いのに気品があって、生まれながら僕とは格が違うんだなと思い知らされる。
「先生、大変だった…なんて嘘つかないで?」
紫音くんはにっこりと笑った。
「え?」
「楽しんでたんでしょ?黄央や浪、白馬とエッチして。それと、涼ともした?」
紫音くんは、相変わらずニコニコしているけど、どこか怒りのようなものも感じた。
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