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第6話 僕、淫魔です!-Ⅱ- -3-
「エスト……の、精液……僕に早くいっぱい下さい……」
「……何だ? シャル……おねだりか? なら、ここ解さなとな?」
「ぅん……、エストっ……」
そう言ってエストに抱きつけば、彼は僕をそのまま受け止めてくれた。
後頭部を撫でられながら、残る片手で先走りを潤滑油にしてアナルを解される。
僕はそうされながら、エストの肩に頭を乗せて彼の耳元で喘いだ。
そしてやがてエストの指が三本入る様になり、遂に僕はエストからペニスを騎乗位で貰った。
下からエストのペニスで抉じ開けられる感覚に、僕のペニスはそれを快感とし受け入れて涎をずっと垂らしている。
「ん、んぁン。エストの、僕にいっぱいッ……!」
「まだ、だ。まだ根元までじゃないからな、シャル? ほら」
「お腹、くるしぃ……っ。はぁ……はぁ、はぁあっ……」
後、どのくらい飲み込めば、エストのを全部食べれるの?
僕……結構飲み込んでいると思うんだけど……。
「エストのっ……まだ? まだあるの? もう、一人じゃコレ以上は無理だよぉ……」
「シャル、可愛い……。なら、一気に食え」
―ばっ……ちゅう……、ん!!!
「……ッ! ッ! ……っ、はぁあァ!!? ~~ッ! ~~ッ! ~~~~~!!!?」
エストのペニスを一気に全て受け入れたら、ビクンビクンと僕の身体が勝手に数度跳ねた。
しかも瞬間的に意識が白く飛んだ。全てが白だ。
そして僕は知らずに射精していた。前方の……エストの腹や胸に僕の放った白濁溜まりが……。
「ぼくっ…………シちゃっ……た?」
実はまだ身体は小刻みに震えている……。
"ヒクン"と震えた僕のペニスから、プクリと残滓が出てきた。
そんな射精後のまだ敏感な鈴口部分を撫で搾る様に、エストが触ってきたんだ。
―くちゅ……っ……くちゅ、くちゅ……
「ひぁッ!?」
「シャル……俺はまだイけてないんだけど?」
「ぁ、ぁ、あの……ごめ、なさっ……」
「俺から"ご飯"が欲しいなら、シャルが頑張って動きな」
「……ぅん。僕、エストからの欲しいから、がんば……る、ね?」
―くちゅ、ちゅぷ、ちゅぷ……
「……ん、ん、んはっ……はぁ、はぁ……っ」
頑張って動いてみるけど、実はこういう経験がとても浅い僕は直ぐにエストのペニスに意識を持っていかれそうになる。
でも、エストに気持ち良くなって欲しいし、僕もご飯が欲しいから……頑張る……。
……勤労意欲に燃える、腹ペコ淫魔をナメるなぁああぁあ~~!!
「はっ、ぁ、あん……ン、ンンッ……」
結局、騎乗位のままで僕はエストのペニスをゆっくりとアナルで頬張った。
騎乗位はリオ団長の時もしたけど、それほど慣れていないのでどしてもまだ動きが緩い。
ゆっくりとした動きなのでもどかしい快感が僕の中に生まれ、アナルを中心に僕はゆるやかな痺れに瞳を潤ませた。
エストの精液が欲しいのに、僕のこの動きではいつエストから貰えるか分からない……。
先程生まれた頑張る気持ちと同時に、僕は不安に駆られてしまった。
そんな泣きそうな僕の下に居るエストが急に僕の腰を掴むと、下からペニスを押し付けて突き上げてきた。
「……ン……んぁあぁ!?」
「ホラ、シャル……!」
「は、ぁ、あン! あん……! エスト、キモチいいよっ……!イイっ!」
エストの変貌に一瞬戸惑ったけど、ペニスから与えられる快感に僕は嬌声が止まらなくなった。
そしてやがて、エストの突き上げに合わせて、僕のペニスから先走りが溢れてきた。
後ろでの結合部は"ぐじゅぐじゅ"とした泡状の液体が生成され、卑猥感が増していて、僕はペニスを完全に立ち上がらせ、歓喜している。
すると、そんな僕のペニスを見て、エストがニヤリと笑ったんだ。そして……
「―……これは俺より先にイったお仕置きだ。シャル」
「???」
そう言うとエストは僕のペニスの根元に紐……白いレース紐を巻きつけた。どこから……これを……!?
そして紐の締め付けに反応して、僕のペニスがヒクリと動いた。
"ヒクリ"とする度、"キュッ"と紐に動きを抑制されて何とももどかしい。
エストから射精禁止の"ぷるぷるヒクヒク"とペニスを焦らされるお仕置きを受け、僕は彼に下から突かれながら震えた。
「えす、と……っ! ごめ、なさっ……、ひ、紐……を……解いて……」
揺すられて涙ながらにエストへ、ペニスの紐を解いて欲しいと言えば、紐を解くのではなく体位を正常位に変えてきた。
ギシギシとシーツの海に浅く浮き沈みを繰り返しながら、僕はエストから与えられる新しい快感に喘いだ。
そんなエストのペニスと、巻かれたレース紐に翻弄され、僕のペニスは益々猛った。
僕のペニスの具合はエストも分かるだろうに……。まさにギリギリである。
「エストぉ……、もう、ほど…………ッ!?」
「……シャル……、んっ……」
すると下唇を"ツプ"と噛まれ、そこから膨れ出た血と共にエストの舌が僕の口内に侵入してきた。
これでは言葉もあまり紡げない。
しかし、口内から来る新しい快感に、僕のペニスは更に射精感を増加させている……。
もしかしたら、自分の血の味や匂いに興奮を感じているのかもしれない。
「……ん、んンっ……、エスト……エストっ……! ……だ、出したい……!」
「ん……、はっ……は、はぁ、はぁ……っ。シャル、まだ……ダメだ」
深く求める口付け交わしながら、僕は荒くなる息を何とか抑えてエストに訴えた。
するとエストは再び僕の下唇から滲み出た血を舌で舐め採り、僕と同等な呼気を見せながらそれを制して来た。
僅かに血の味が混じる口付けを交わしながら、エストは今度は僕の薄い胸を触り始め……
「……ぁっ……? ……乳首っ、弄っちゃ……ダメぇ……!」
「……シャル、可愛い。可愛くて可愛くてしょうがない」
「え? ……ぇ?」
「最初からそう思ってた」
そう言いながら両方の乳首をしこり、僕に新たな快感を加えて来るエスト。
そんなじりじりチリチリとした快感に、ほぼ無意識に僕は思わず身を捩ってしまう。
「逃げないで、シャル……」
そう言ってからの優しい手つきと言葉に、僕が涙目ながらに「……逃げません……」と素直に答えた。
するとエストは静かに笑みを浮かべ、僕のアナルに激しい抽挿を始めた。
お互いの汗ばんだ肌を打ち合わせて、辺りにこの行為を思わせる音を盛大に撒き散らしながら僕とエストはお互いを高め合った。
そしてエストのペニスが、僕の中で震えながら径を増加させて内部で精が放たれると予感させた時……
スルリと僕のペニスからレース紐を解いて、エストに高速で扱かれた。
この自身からの新たな刺激と水音で僕の射精感も一気に高まり、エストの「出して良いよ」の言葉に抑えようも無く……
「……くひぃ……ん!? ……デっ、……デルぅううぅ!!!」
「く……っ、は……ぁ、っ!」
―びゅるるるるるるるるる!!!!
そして僕は最奥にエストから熱い精を受けながら、白濁を盛大に迸らせた。
「この箱を開けてごらん。君に上げるよ」
「……? ……これ、は……」
"食事"が終わり、まったりタイムを味わっている時、エスト副団長さんが僕に持ってきた平たい箱を渡してきた。
エストはすでに眼鏡を装着して、すっかり"副団長"さん、だ。
そして僕は言われるまま、副団長さんが持ってきた平らな箱を開けた。
「ぇ、えっと……」
「……シャル、とても似合っているよ」
嬉々として副団長が僕にあてがっているのは、豪華で繊細なレースが幾重にもたっぷり使われたゴスロリ的な丈の短いドレスだった。
「今度はこれ着て、俺とまた"ご飯"を食べよう?」
「ぇ、ぁ、あの……はい……」
耳元で囁かれて耳たぶをぱくつかれ、今は人の長さの犬歯で甘噛みを繰り返す副団長の"顔"……のエスト。
先程までの真紅薔薇色の瞳から、深海の蒼色に変化したそれは、穏やかな弧を描き僕を見つめている。
そんな彼の色が滲んだお誘いに、僕は頬に仄かに熱が浮くのを感じながら、小さな声で返事をするのが……
……淫魔なのに、精一杯だったんだ。
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