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第7話 僕、淫魔です!-Ⅲ- -1-

―……僕は淫魔の"シャル"。 廃教会で傭兵団の団長さんが酔っ払って高いびき中に彼を襲い、精をたくさん受けても、いつまでも腹ペコ底なしな僕を傭兵団付きの"男娼"として拾ってくれた。 ……ちなみに、僕に今までの記憶が無い。 "シャル"は団長さんに付けて貰った。僕の最初の"お気に入り"……。 「………………」 僕はそこまで脳内で考えて、閉じていた瞳を開いた。 そしてその事により、ホールに集まった男性達が僕の瞳に映った。 彼らは団長さんの隣りに立っている僕を見ている。 そう……。傭兵団に来て数日が過ぎた今日は、傭兵団の方々に自己紹介を……。 ふううぅう……。緊張、する……。 しかし、いつまでも黙っている訳には……! よし……! 「―……あの……! 廃教会で拾われた……淫魔の"シャル"です! 団長に、ここでの"男娼"として拾われました……! ……あの、その……僕はいつでも腹ペコなんで、皆さんのを"精"を分けて下さい……!! これら宜しくお願いします!」 ヤケ気味に叫んで、一方的にお辞儀をすれば、たくさんの「宜しくなー」等の声が降って来た。 驚いて前方ではなく、隣りの団長さんを見れば、「良かったな、シャル」と笑顔をくれた。 どうやら僕を受け入れてくれた様だ。良かったぁ。 受け入れられた事と、自己紹介が済んだ安心感からほにゃりと僕も笑顔を作れば、団長さんが頭をナデナデ……。 そして今度は表情を引き締めて、「……さ、近場だが"仕事"に行かないといけない」と"団長"さんの顔になったんだ。 お仕事……。ゆらりと不安気な上目で団長さんを見れば、再び笑顔で団長さんは答えてくれた。 「シャル、お土産を買って来てやるからな」 ―……その言葉通り、団長さんは夜遅くだがその日が終わる前に館に帰って来た。 「ただいま、シャル」 出掛けた時と同じ笑顔を僕に向けて、団長さんは僕の手の平に可愛く包装されたチョコレートの箱を乗せてくれたんだ。 「わ! チョコ?」 「ああ。……こういうのも食えるんだろ?」 「はい! 食べられます!」 「じゃ、俺と今から食べるか、シャル?」 「ほぁ? 食べます?」 そう更に爽やか言われ、「食べる」と答えたを僕をニンマリ笑顔で団長さんは小脇に抱えてきた。 そしてノシノシと僕の部屋へと歩みを進め始めた。 ……んだけど、直ぐに少し慌てた様子でエスト副団長が指示を仰いできたんだ。 「……そうだなぁ、エスト、後はフィリックに任せてくれ。今回の報告まとめはフィリックからの"報告"が上がった時だ。んじゃ、解散なー」 団長さんは僕を小脇に抱えたまま、「みんな、ゆっくり休むようにな」と言って部屋を後にした。 僕は団長さんに抱えられながら、"ドキドキばくばく"と胸を高鳴らせていた。 団長さんは本当に僕にお土産をくれた!しかも、この足取りから向かう先は…… ―……僕の部屋、だ……。 そんな僕が"ごくり"と生唾を嚥下する音に、団長さんが反応してきた。 「……シャル、チョコを食べるのは俺が風呂に入ってからで良いか?」 「……は、はひ! 良いです!!」 そして加速する僕の心音。期待が膨らむ……。 幸せ過ぎて、シスター服の中ですでにペニスが勃起して……痛い。 腹ペコ淫魔に、極上精液のお預け行為は正直、ツライです。 「……でも、なるべく早く食べたいです……。団長さん……。僕、お腹空いてます」 うるうると催促の言葉を口にした僕に、団長さんは「了解した」と笑いを噛み殺した様な声で答えてくれた。 そして…… 「―……んちゅ、ちゅ、ちゅぅ……れろっ、れろ……」 「……美味いか? シャル」 「んんっ……ちゅるッ。……おいひぃです、団長さん…………ちゅるっ! ちゅる!」 僕は今、お風呂上がりのリオ団長からお土産のチョコレートを貰っているんだ。 この、甘くて美味しいチョコを団長さんのお風呂上がりで温かいペニスの先端に乗せて、チョコと先端部を同時に口に含んで舐める。 そして団長さんに答えながら、僕は先端にある穴……鈴口をぺろぺろと穿ってチョコの残りと同時に残滓を舌で掬い出した。 チョコと団長さんの精液……混ざったのがすごく美味しい。癖になりそう……。 団長さんのペニスをぺろぺろしていて、僕のあらゆるトコロがジンジンしてきて……とてももどかしくなってきた。 チョコが解けては、再びチョコを団長さんの先端部に置いて、じゅぶりじゅぶりとしゃぶり付く。 でも一旦"ちゅぱ"とペニスを口内から放して、僕はリオ団長にお礼を言う事にした。 「……美味しいチョコのお土産、ありがとう御座います。僕、とっても嬉しいです、団長さん」 「そうか。美味いのは"チョコ"だけか。残念だなぁ、シャル」 「……え!? ぁ、あの……! チョコも美味しいですけど、ぼ、ぼ、僕は……団長さんの……方が……、えっと! ぇっ……と……ンと…………んちゅ、ちゅ……」 団長さんに答えながら、僕は団長さんのペニスに再び舌を這わせた。 "じゅわり……"と湧き出た先走りをチョコは含まずにそのまま吸い、舐め取る。 ペニスだけを舐める事で、僕の気持ちが伝わらないかと……上目使いで団長さんを見た。 それにしても……。ああっ……。濃い……。頭……が痺れて、蕩けてく……。 「……団長さん、大好き。好き、すき……、ん、んちゅ、ちゅ……」 「シャル……」 蕩けた思考で即物全開にシフトした僕の、自分でも口は驚くほど滑らかに動く。 「チョコも美味しいけど、僕には……団長さん精液の方が、ずっと美味しいです……」 僕の口から数センチの所には、唾液に濡れた団長のペニス……。 「今から腹ペコ淫魔に団長さんの、美味しい極上せーしご飯、ここに下さいっ……!」 そう言って僕はベッドの上に四つん這いになり、閉じていた尻たぶを自ら開いた。 団長さんの眼前にヒクつくアナルを晒し、尻を揺らす。 正直恥ずかしい……けど、今の僕はそれを上回る欲望に支配されている。 「だんちょぉ、さぁン……」 淫魔な僕の主なご飯は精液……"精気"や、"魔力"だ。 まさに仙人同様、霞か雲か……、の例えが似合う食事事情だ。 もちろんチョコや普通に食べ物も消化出来るが、一番のご馳走は精液……精気なのだ。 ―ずぶぶぶぶぶぅう………… 「ふぁっ……! 団長さんのっ……! 食べられる……っ」 「ああ、食わせてやる」 言いながら団長さんは、僕のアナルに指を咥えさえて解す作業を開始してくれた。 指を一本、二本、三本……と増やされ揺すられて、最後に団長さんのペニスが僕の中に……。 「はっ、……ぁン! あ、ぁ、あっ……! ン、ん、ンぅうゥ~~!」 「シャル、どうだ?」 「やぁ……っ。そこ、ぐりぐりッてぇ……! だんちょ、さ、ぺにしゅ……っ、あつぃいいぃッ!」 「……して欲しいんだな? くくっ……」 弱いトコロをぐりぐりされて、僕はビクンと身体を跳ねさせた。 そして団長さんの熱の膨張からの迸りを内部に感じて……、ペニスの引き抜きで僕のアナルから白濁が溢れ出た。 内部に流れた、大好きな団長さんの濃い生みるく。 行為の激しさを窺わせるクチュリとした、アナル周り白い泡。 トロリと流れ出た白い粘液は、まだ温かくて……。 僕は深く胸を上下させながら、団長さんを見上げた。 そんな"ご飯"の後、団長さんはサイドテーブルに置いてある透明な瓶に、蒼いガラス玉を一つ入れた。 そうしてから、僕を膝の上に座らせて後ろから抱きしめてくれた。 汗ばんだ肌の吸い付くような、密着する重なりが気持ちイイ……。 「……また、ご飯……下さいね?」 「ああ。やるよ、シャル」 「うん……僕、待ってます……。ぁ……ん、……団長さぁん……?」 言いながら団長さんは、僕の玉を両側から"コリコリふにふに"してきた。 するとその刺激に反応して、僕の先端部からトロトロとした液体が……。 興奮して、先走り……いっぱい出ちゃいます……。 亀頭、カリ、竿の裏筋を濡らし、玉を弄る団長さんの手まで届く僕の先走り……。 そして今度は団長さんがお土産のチョコに溢れてきた先走りをたっぷりと塗りつけて、パクリモグモグ……と……。 「……確かに美味い、かな。素のより、俺もこっち、だなァ。……シャル?」 「団長さん……言い過ぎですよ~。だけど……僕、嬉しいです……」 「ははっ。……シャル、俺にお前をもっと食わせてくれ。やっぱり、まだ足りない様だからな……」 「はい、団長……。僕にもおかわり下さい」 団長さんに答えれば、そのまま四つん這いにさせられ、まだ蕩けているアナルに"ぷちゅ"とペニスを咥えさせられた。 僕は後方から挿し込まれる団長さんの長大な熱いペニスにプルプルと震え、早くも屈服したんだ。 アナルからの快感と熱い疼きに「は……ぁ、ぁン……」と喘げば、団長さんが僕の喘ぐ声を掻き消すような抽挿を開始してきた。 前後に激しく揺すられ、僕は喘ぐのではなくていつの間にか「ひぃん! ひィっ! ……だんちょ、さ……ぁあん! ンぁ、あ……!」と歓喜の涙声を発していた。 ずちゅずちゅとした猥音の中で、団長さんのペニスが僕の中で変化を起こした。 「……シャル……。……メシだ……、食えっ! 俺のを食え……!」 「は、はい、団長さんのっ! いただきますぅ……」 「……っ、くっ……!」 「はぅ……う~~~っ」 ―ぶびゅ! ぶびゅう……ぶびゅるるるるるるる……!!! 激しく犯されながら団長さんの言葉に答えると、団長さんは僕の中に"ご飯"をたくさん放ってくれた。 僕の中で団長さんのペニスが何度も吐き出していると分かる動きをし、僕の中は歓喜に震えてペニスに絡まった。 そして内部で吸収が始まり、僕は団長さんの精を摂り込んだ事に幸福感が増幅してきて……。 「僕の中に、団長さんを感じるよぉ……。はぁっ……はぁ……」 濡れた吐息と共に素直な心境を漏らせば、団長さんは体位を対面座位に変えてから、覗き込む様に僕を見てきた。 「俺?」 「うン。だんちょお……っ」 濡れた睫毛を震わせながら、団長さんを呼んだ。 すると団長さんはいつの間にか垂れ出た涎を舌で掬い、口内に戻して深い口付けをくれた。 そして、それが終わるとニンマリと笑顔を寄越してきた。 「……今は"リオ"って言いな、シャル。俺の名前、知ってるだろ?」 「りお?うん、しっえうよ……。リオ、りお、リオ……」 「そうだ、シャル」 「リオ、りおっ。好きぃ……」 言いながら対面なのを幸いにと甘えて両腕を出せば、リオは僕を抱えてくれた。 うわ言の様に"リオ"と名前を繰り返し、名前以外は「好き」しか言わない僕を、リオは静かに受け止めてくれてる。 そんな"好き"なキモチが、僕のペニスからもトロトロと溢れて来た。 リオはそんな僕のペニスに手を伸ばして………… 「シャルもそろそろ出そうかな?ほら……、シャル……イけっ。俺の指でイってみせろ……」 「ンん……ひゃ!? ぁ、あ、ああぁ、あぁっ…………。りッ……お、指ッ……、ゆびぃいぃッ……? ぁ、あ、ん……ウン……っ……。リオの親指、で……僕……僕……っ……~~~イくぅ!!」 充血して敏感な部分をリオの親指に執拗に擦り上げられた僕は、与えられた行為に即答する様に鈴口から白濁を噴出させた。 そしてリオの指は白濁が噴出す穴に蓋をする様に、そこに指を食い込ませて"ぐりぐり"と……。 「あぅ!? ……あ、ぁ、あ!! あ―――!?」 リオに"ぐりぐり"擦られ揉まれる敏感な先端から、僕はペニスを……いや、身体全体を快感に震わせて吐精した。 そして僕は、この時も嬌声以外は「リオ、好き」しか言えなかった……。 リオはそんな快感に震える僕の告白を、また黙って聞いている。 ……僕は幸福な快感の中にいるんだけど……、それとは反対な涙を一筋、リオの前で流した。 不思議と、このもどかしい感情が……苦しかったんだ。 僕はリオに嫌われてない。けど、苦しい?何で?どうして? ……分からない……。 そんなリオに与えられた苦しさを隠したくて、僕は…… 「……っ、はぁ……っ……リオ……好き……」 そう呟き、瞳を閉じて…… ………………息を吐いた。

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