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第9話 僕、淫魔です!-Ⅲ- -3-
「……ぉいしかった、フィリック……」
思わぬ新しい味の出会いに大満足です、僕。新鮮みるく!
フィリックに抱きついて頬を寄せ囁けば、フィリックも僕を抱き返してくれた。
そして僕達はゆっくりとした手つきでお互いの身体に手を這わせ、唇を……吸い、合わせた。
「シャル……僕の……」
「うん、美味しかったよ、フィリック」
「シャルの……ここ……。シャルも……?」
「ぁん……。ん、コーフン、してるよ? フィリック、僕の……触って……」
そうして僕達は一枚、また一枚……とお互いを脱がし合い、ベッド上で最後は何も纏わない状態でキスを繰り返し、お互いを触り続けた。
「―……僕達……"ネコ"同士、なのかな? ん、んちゅ、ちゅ……」
「……ぅン……。そうだね、シャル……。僕達……ん、ん、ちゅ、ちゅ……絶対……そう、だ……」
先程の飲精からお互いの肌を撫で合い、興奮しながらもキスと肌の触り合いから先の決定的なコトに進まない僕達。
……どうやら僕もフィリックも性質が完璧に"ネコ"側の様だ。
相手に挿入するより、挿入されて愛されたいのだ。
うーむ……。どうしょうかなぁ? キスと触り合いでも、僕は案外良いけど。
「……じゃぁ……シャルも、……使ってみる?」
「……何を?」
「ん……と……、この"ジェルズ"達」
「スライム……を、使うの?」
「そう。合体させて、人型をとらせるんだ」
「ほぁ?」
そして、特殊なスライム合体なる妙技で出来上がったのが、男性の"人型スライム"……。
どうやら赤色が温度、水色が水分、黄色の硬度増加を主にして形成しているみたいだ。
更にスライムを合成させると、それの技能も加わっていくんだって。
でも、これは今のところ"ジュエルズ"達しか出来ないそうだ。
まぁ、見た目はやや透けた薄い桃色で、肌質は筋肉質な人間のに近い。弾力等はむしろ遜色無しの普通に成人男性のそれ。
僕は感心して「ほぁー」と、ペタペタと触っていたら……
"にゅ"っと股間にある物が……
「複根に……?」
何と、ペニスの下にもう一本のペニスが?
「こういう……使い方は始めて……だから上手く出来るか……」
そうして僕達は抱き合ってベッドに身を置いた。
僕は四つん這いで、フィリックは僕の下で仰向け開脚姿。
ちなみに僕はフィリックに尻たぶを開かれて、アナルが露出状態だ。
そんな僕達のアナルはこのスライムはあまり慣らしをしないままで、ペニスを細くして……
―ッぷ……ツププ……ぷ……
スライムの細いペニスが、僕とフィリックのアナルに同時に挿入を始めたんだ。
そしてペニスが収まったと感じた瞬間、今度は内部で膨張をゆっくりと始めてミッチリギチギチと圧迫して抽挿をきた。
「ぁん……! ズンズンって……クる……。ぁ、あ、あ……、ふぃりっくぅ……!」
「ウン……。奥にキてるっ……! ……シャル、シャル……キス、しよぉ?」
「ん、ぅん……。んはぁ……ちゅ、ん、ンンっ……。きもちイイよぉ……!」
「シャルと同じで、僕も気持ちイイ……。ちゅ、ちゅ……」
僕はフィリックと抱き合って、人型複根スライムにアナルをガツンガツンと犯されている。
そう、僕とフィリックは同時にアナルに抽挿を受けているんだ。
スライムからの"揺れ"で、向かい合わせで抱き合っている僕達は自然とペニスを擦り合わせる状態に……。
互いのペニスが肌に当たり、翻弄されて僕達のペニスはドロドロに成ってきていた。
だって、先走りで"ヌチヌチ"と音がしているし、ヌルヌルとした肌の擦れを感じる。
気持ち良さに少し霞んだ意識でフィリックと口付けを交わし、彼を観察すれば、僕と同じだで蕩けているのが分かった。
「フィリック……もっと、気持ち良く……一緒になろ?」
「シャ……ル?」
―……ぬちっ……。ぬちっ、ぬちっ、ぬちっ、ぬちっ、ぬちっ、ぬちっ…………
「ん。ん、んッ……。僕とペニス、一緒に擦ろぅ」
「ぅ、う、ン。は、はぁ……はぁん……。ぬるぬるぅ……」
言いながら僕はフィリックのペニスと自分のを合わせて、同時に扱き始めた。
するとフィリックが僕の手に手を重ねてきて、同じ動きをしてきたんだ。
「ぁ、あ、ああっ……。ふぃりっく、ふぃりっ……くぅ~……熱いよっ……」
「しゃるっ、きもちぃ……。もっと、僕のもぎゅって……」
「ぅん、うん、フィリック、こう? この位……?」
「ふわぁっ……。シャル、いいよぉ……」
「ね、フィリック……僕のペニスもぎゅって、シてぇ……」
「うン、ぎゅって、すゆぅ……」
最初はゆっくりと、お互いの嗜好を擦り合せる様に僕達は探り合って二本のペニスを扱いた。
でも、それも直ぐに重なり合う速度を見つけた僕達は、未だ同時にアナルを犯される揺れも伴い、扱き合いにも耽った。
後ろからの肌を打ち付ける音と、擦れ合う水音と嬌声が充満した部屋で、蕩け合い……、
そして……
「~~~ッ、ふぁ……ぅううッ!???」
「ひゃぁ……ン!!??」
―ぶびゅる……ッ!ぶびゅ――――――――――!!!!!
……そしてお互いの扱きに耐えかねて、僕とフィリックのペニスが同時に白濁を迸らせた。
「ふわっ! ……ふわわぁ~~~……」
「ンはぁ……っ! ……は……はぁ……はぁ…………」
ぬちゅぬちゅとした射精直後のペニスをお互いの肌で挟み、僕とフィリックはだらしなく蕩けた顔を寄せ合ってスライムにまだ身体を揺すられている。
お互いの汗や涎、白濁に、行為に欲情した熱を混ぜ合って抱き合って、多分……同じ幸福感を味わっている。
―……そんな満ち足りていた空間の中で……
――…………きゅむ! みち……みちぃ~~……
僕のアナルに新たな捻じ込みが……?
「…………ぃひッ! ひぃあ!? ……僕の、に、二本……入れちゃっ! ……うのぉ!??」
「……シャルのアナル……気に入られたんだねぇ~……」
微笑みながらフィリックはスライムの新たな三本目のペニス、僕にとっては二本目を受け入れさせる為に僕の尻たぶを左右に開かせ、アナルを伸ばして隙間を作る行動をしてきた。
「どうしよう、フィリック……!?」
「ん~~……大丈夫だよー、シャル。出来る出来る」
「ほぁい!??」
「……"そう"……躾けているからかな? 僕以外でも試したくなったんじゃないかな、多分」
「しつけ?」
「ふふっ……。僕……たまに一本じゃ、足りないんだ。
……特製の即効性で副作用の無い弛緩と催淫効果の強い液体が出るから、そしたら"スルリ"だよ。ね? シャル?」
「んなぁ――――――――!??」
そして……
―ミチミチ……ミチィ…………
「……やぁん! やん!! 本当にアナルにペニス二本……っ!? …………ぁ、あ、頭……焼かれそぉ! あにゃる……ひろがっ……ちゃぁう! 広がっちゃうよぉ!?」
―……プシャ! プシャ! ブシャア!! ブシャア……!!
「しかも……その液体……っ!? にゅるにゅる……っ??? ……や、や、やぁ……あああああぁ、ああああ――――――……!!!!」
入れられた二本目のペニスは細めで小さい感じだけど、アナルが"みちぃ、みちぃ"とジワジワ確実に広がる感じがして…………今まで一番、刺激が強すぎたんだ。
そしてフィリックが言った通り、二本目から弛緩催淫液体が潤滑液として容赦なく大量に放出された。
僕は怒涛の快感に叫び仰け反りながら、全ての意識を一気に放棄した。
数日前に目覚めたばかりの淫魔に、急激なモノなのは捌き切れなくて…………これは無理でふ……。ガクリ……
「―……ごめん、シャル……やりすぎたね」
「ふぃりっく……ふぇっ……うう~~~ぅ~……」
そう言いながら、フィリックは意識が戻り涙目の僕の頭を優しくナデナデ……。
「お詫びに、君に役立つモノを提供するよ」
「僕に……役立つモノ?」
僕が小首を傾げると、フィリックはスライム瓶を一つ取り出して、僕の前でそれを逆さにした。
「ホワイトスライム。……雑食の白、だよ」
白い、テロンといた物体……スライムが中から落ちて来た。
見れば、五匹のスライムが……。
僕がそれを見ていると、フィリックは一匹を手に乗せた。
「白種は雑食で綺麗好きだから、大体何でも取り込んでくれるよ」
「わぁ……! 小さい……ふるふるしてる……! 可愛い……」
「……シャルは紫種の魔力も溜め込める魔力重視型より、こっちの方が需要ありそうだもんね」
「……へ? 何で?」
「雑食で綺麗好きだからさ、飛び散ったりした"事後処理"が楽だよ」
「………………!!!」
それって……それって、それって……! ソレって……!!?
アレがソレでコレに繋がる訳で……!? ででで……!??
「……名前を付けて可愛がってあげてね?」
「ぅ、うん! ありがと、フィリック! 名前も付けるし、大事にする!!」
僕はフィリックの言葉に頬に熱が集中して赤くなるのを感じながら、動揺のせいか……白スライムをふるふると揺らした。
ところで名前……どうしようかな?
―……僕はその日、お気に入りがまた増えた。
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