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第17話 僕、淫魔です!-Ⅵ- -2-
そして着いた街の露天市場の入り口にリヤカーを預け、僕は目的のキャベツを発見する前に別なものに興味を惹かれた。
「四枚の白い翼……?」
そう、軽く武装した男性の背中には、本物の四枚の翼が……。
二枚なら、鳥系の部族かと思うんだけど、"四枚"だよ?どういう事?
そしてそんな僕の疑問に、ミカが答えをくれた。
「…………ああ、あれは"天空族"だな」
「てんくう?」
「祖は"天使"に繋がるとされている。背中の四枚の翼が特徴で、最高枚数は六枚だ」
「へぇ?」
「天使は神の戦士だからな。……温厚で優雅そうに見えて、アイツ等は実は結構冷酷で暴力的なんだ。だから、シャル、……気を付けろな?」
「うん……」
ひえー。触らぬ神に何とやらー。
に、しても、ミカ、知った風? そして何だか心なしか、辺りを警戒し始めた?
「さ、早く目的の物を買いに行こう……」
「ミカ!」
「……見つかったか……」
ええー? ミカってば、あの天空族の人と知り合いなの!?
「ミカ、そろそろ……決めろ。親父が焦れ始めたぞ」
「……俺の事は良いから、早く警備に戻れよ……にい……、ロニオ。さ、行こう」
「ぇ? ぁ、え、あ、ぅん……?」
「ミカ!」
直ぐに後ろから何度か声が聞こえてきたけど、ミカは僕の手を握って一度も振り返らないで野菜売りのお店がズラリと並んでいる場所まで来た。
その間、僕は彼に声を掛けずにいた。……だって……、ミカの様子を考えて、掛ける言葉が見つからなかったんだ。
だから、ここは華麗にスルーで。
そして僕は目的のキャベツ量達成の為に、お店を三軒回った。
その際、おまけも幾らか貰い、ホクホク顔でお礼を言ったら更に追加で果物も貰え、ラッキー!
買った品物をリヤカーに乗せシートを被せてさらに固定して、ゴロゴロとミカと談笑しながらの帰館中に……
急な大雨にあった。
急な天候の変化に慌てる僕に、ミカが冷静に……
「この辺なら、ちょっとした洞窟が……。シャル、こっちだ!」
「う、うん……!」
ミカ、ここら辺に詳しいんだ?
そしてミカに連れてかれた先には、確かにこじんまりとした洞窟があった。
ミカは洞窟に入る前に石を数個そこに投げ入れて様子を窺った様だけど、石に対して中は静かだった。
そこでミカは安全であろうと判断して、僕達は洞窟内部へ雨宿りの為に入った。
荷物を積んだリヤカーも濡れない位置に置き、僕はミカの元へ向かった。
「あ~あ……。こんな所で大雨……だ、な、ン……ふぇッくしょ!!」
「……あー……その、何と言うか……濡れたままの服を着続けると風邪をひくのでは……と、思う……んだけど……」
僕を見ない様に……どこかソワソワとした感じでミカは羽織ってたマントを外し、地面に敷いて「この上に座ろう」と言ってきた。ありがたい。
マントの事にお礼を言いながら自分の様子を見てみれば、軽く搾れちゃう位に雨水を服が吸っていた……。
「確かにそうだね……。僕、びちょびちょ……あのさ、ミカ……」
「な、何だ? シャル……」
「僕、服脱ぐね。……あー、もう……ワンピース、ホックが後ろでめんどい……」
「ぶッ!!! お、俺の内側のマント、貸すから! これ、羽織れ!」
へぇ? ミカのは二重構造なんだ。
言いながら僕に少し薄手のマントを押し付けるように寄越すミカからそれを受け取った僕だけど、ミカの姿に思わず笑みが。
だって、こちらを見ない様にしてるし、後姿から見える耳が真っ赤。
「……あったか~ぃ……」
「そ、そうか。良かったな……!」
「うん、ミカ、マント貸してくれてありがと……」
「お、ぉう……」
ミカにそう言いながら、マントを背中に当てて、背中越しにスリスリ……。
そしてチラリとミカの股間を見れば……
「……マントのお礼、しないとね? ……ねぇ、ミカが温めて欲しいのは、コッチ……?」
サラリと言いながら、僕はミカのペニスを服の上から撫でた。
そこは僕が温める必要が無い位、すでに熱を孕んで硬くなっていた。
「シャ……ル……?」
「ミカ、僕が温めて上げる。……イやなら、今、拒否して?」
「…………」
「……ふふっ。いーんだね?」
僕は特に否定も抵抗しない彼の前を開き、既に熱く起ち上がりを見せるペニスを露にさせ……
「―……ぁむ……っ……」
彼のペニスの幹を側面から緩く咥え、舌でその表面を口内で舐めた。
ゆっくりと表面に舌を這わせ、全体を舐めてから僕はミカのペニスを先端から飲み込み、頭を上下に動かした。
すると"じゅわり"とした独特の液体が口内に溢れ、僕はその湧水を舌先で掬い、再び元の運動へ戻った。
―じゅぶッ、じゅぶ……じゅぶ……
「く……シャルの口ン中、あったけぇッ……! はぁ、はぁ……!」
「―……んっ……。ミカのペニス、僕が温めて上げる。 ……ん、んちゅ、じゅる、じゅるっ! ……ん、はぁ、は……は、じゅる……」
ミカのペニス、おっきぃ……。誰と比べる、ってのは無いけど、僕の知っている中では上位クラス。
裏筋を幾度も舐め上げ、先端部を"ぷちゅぷちゅ"と口で扱く。
すると、ミカの吐息が段々と荒くなり、「シャルッ……」と言いながら僕の頭に両手を置いてきた。
そんな彼を見ながら僕は更に熱く育つペニスを咥え、喉奥まで使って攻め上げた。
喉奥までする事で途中、少し涙が出たけどそんな潤んだ瞳でミカを見上げれば、彼は僕を見てペニスの質量を更に上げてきた。
「……ぅ、ぁッ……! シャル……! 出る……でる……!!」
そしてミカは遂に達しそうなのを僕に告げ、僕よりも泣きそうな顔でペニスを咥えさせるのを止める様にしてきたけど、僕は無視してペニスを強く吸い……
―ぶびゅるるるッ! ……ぶびゅる! びゅるッ! ぶびゅるるぅ!!
「ん、んッ。んんぅ、んんっ! ……は、はぁ、ん、んちゅ、ちゅ、じゅるじゅるッ……ん、んぁっ……んじゅッぅ……ううぅ……」
「……しゃ……シャルッ……! そんな、俺のッ……を!? だ、駄目だ……、シャル……、シャル……ッく……!」
ああっ……ミカの精子、美味しい~。
僕は淫魔として、当然、ミカの精子を全部嚥下した。
ミカの白濁は粘つきが強かったけど、僕は喉の動きを止められなかった。
そして全部飲んで、ミカに笑顔で「ミカの美味しかったよ」と告げれば、耳まで真っ赤にしてうろたえた。
あは。ミカってば、可愛い。
なら、次は―……
「ね……、ミカ、背中のファスナー、下ろしてくれる?」
「え!?」
「濡れた服を脱ぎたいんだよ。後ろは苦手だからさ、頼むよ」
「わ、分かった……」
少しだるそうだけど、彼にファスナーを下ろすのを手伝って貰った。
そしてファスナーを下ろされ、僕は袖から腕を抜き、ミカに背を向ける形で上半身を脱いだ。
「えぇ!? しゃ、シャル、上の下着ッ……ない!?」
「……あ、"ブラジャー"? 僕には必要無いかなって……ほら」
答えながら身体の前面をミカの方に向ける。
「わー! わー! わー!」
「何で照れてるの? ほらぁ、見てよ?」
何でそこまで……。
女の子なら必要だと思うけど、僕は男だからねー。
何度か「ミカ、見てってば!」と言って、ミカは意を決した表情で僕の身体をやっと見てくれた。
そして、"スコーン!"と何かに頭を叩かれた様な、変な感じの無表情に変化した後、顔を真っ赤にして僕に忠言してきた。
「…………シャルって……す、スレンダーなんだ、な。……でも、さ、下着は必要だと……」
「ん? そう?」
僕の胸をじっと見ながら、ミカが更に複雑そうな表情をしているのはどうしてかな?
あ。もしかして、ミカはポヨンとかムキムキな胸があった方が良いタイプ?
だから、ガリガリな僕の身体を見て、複雑そうな表情をした、……とか。
男的なポヨンも、ムキムキも寄せて、上げて……とか無理だしなー。
「おっぱい、あった方が好き?」
「ふえッ!? ……あ、いや? えっと、シャルならどっちでも……」
「……ぷっ。何、ソレ? なら、僕の……平らだけど触ってみる?」
「え……? ……ぁ……、ぅん……」
そう言ってミカは照れながらも今度は素早く僕の薄い胸に指を這わせ始め、肋骨をなぞる様な動きと同時に親指で乳首を弄ってきた。
「胸……は、だけど、ここはフニフニだ……シャル」
―ふにふに……
「やぁん……乳首、そんなにフニフニ……んんっ。はぁ、はぁっ……」
「……柔かったのがもうコリコリ硬くなってきたな、シャル……感じ易い?」
「だって、ミカっ、の手……やらしぃっ、からっ。ミカっ……僕、もぉっ、もっ……」
―ぐにっ、ぐぐぐ……
「……ん? 腹に何か当たってる……ってシャル……!? この……膨らみ、は……」
「……ぇ?」
―ぷるん!
「男、の……!? 何で!?」
「……ああ、僕、"男"なんだ。……ン、と……、隠すつもりは無かったんだけど……」
「じゃ、何で女物のシスター服を……!?」
「これは……そこにシスター服があったから?」
「はぁ???」
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