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第20話 僕、淫魔です!-Ⅶ- -1-

厚手の高級そうな赤い布地の頭巾。 長くフレアに広がる白い袖と揺れる短めな赤い三段スカートの裾から覗く、幾重の繊細な白レース。 そしてレースと同じ柄の極薄の白い透ける素材で作られた、手袋に膝丈の靴下。 靴は編み上げの先が四角い、艶のある赤い革靴。 そう、今の僕は普段の"シスター"服から、アレンジを効かせた"赤頭巾ちゃん"服を着ている。 「可愛い。……似合っているよ、シャル」 「副団長、ありがとう」 そしてそんな女装した赤頭巾ちゃん姿の僕を満足気に目を細めて見ているのは、この服を用意してくれた傭兵団の副団長のエスト。 「さ、仕上げにコレを穿いて」 「うん」 そう言って副団長は、僕に可愛らしいレースたっぷりのカボチャパンツを渡してきた。 僕はそれを受け取って素直にそれを穿いた。 エスト副団長の用意した物を身に付けるのはもう、僕にとって通常だ。 だってすでに普段着がエストが用意してくれているシスター服なんだよ、僕。 あのね、最初はさ? 元の服より外に出歩けそうな服が近くにシスター服しか無かったから着ただけだったんだけど……。 今や僕の目印みたいな……感じになっている。 ああ、僕は"女装"は趣味では無いんだけど、嫌じゃないし、楽しいから……趣味じゃないけど女装するのは好きなんだ。 だから抵抗は今のところ無いんだよねー。 「―……ああ……完璧だ。シャル、スカートの中の下着を良く見せてくれないか」 「……ぅん……。副団長……こう?」 「もっと上げて」 言われて"ススス……"とスカートの裾を上げる。 「……み、見えた?」 「ああ、見えてる。とても似合っているよ。これはズロースに少し膨らみを持たせて、カボチャをイメージさせたんだ」 「カボチャをイメージさせた……って、これ、作らせたの?」 「ははッ……。まぁ、いつも頼んでいる相手に"チョイチョイ"とな。普段見えない所のもこだわるのが大事なんだよ、シャル」 「そ、そうなの……???」 「そうだ。だから今回はより高い"男の娘"を目指すべく、特別処置をする事にしたんだ。さ、俺の膝の上に脚を開いて座って。準備をしよう」 そう言いながら副団長……エストは、ベッド脇の小さなテーブルに趣味の良い銀縁の眼鏡を置き、僕を見た。 エストの瞳の色が青から、赤に変化してく……。 普段、"力"を特殊な眼鏡で抑えているエストは"吸血鬼"なんだ。 そして僕はエストの膝の上に、背中を預ける形で座った。すると、直ぐにエストの両手が僕に伸びてきて…… 「シャルの太腿……スベスベだな……」 「んっ……! ぇすとッ……!」 ―ススス……スリスリ…… 後ろからエストは僕のスカートの中に両手を入れ、カボチャのパンツの脚側から手を忍ばせて、太腿を外から内腿へと撫でて来た。 見えないけど、スカートの中でエストの大きな掌が、ゆっくりと僕の太腿を撫でている……。 僕から下着を脱がせてその掌がもう少し上……内側を触れば、僕のペニスに……。 そんなもどかしい距離を保って、エストは僕の太腿を触り続けている。 焦らしを受けた僕は勝手に"熱"が下肢に集まって、スカートの前面の一部を"ツン!"と持ち上げて……。 「……ぁ……ッ……」 これでは、スカートの中でカボチャパンツを前面をグイグイ押し上げて、僕のペニスが育っているのが分かる。 するとエストはカボチャパンツを脱がし、僅かに脚を開かせて僕のタマに触れてきた。 僕のベッドの上に穿いたばかりの下着が、くしゃりとした塊になっている。 「……っ!?」 そしてエストの冷たい指が、僕のタマを両側から"コリコリもにゅもにゅ"と揉み始めた。 絶妙な力加減に、僕はエストの太腿の上で行為を強請る様に下肢を動かした。 するとエストは更に僕のを揉んで……。僕は「ん、んっ……」と揉まれる事に夢中になっていた時…… ―ペロ……ッ 「……ひゃっ!?」 「シャルのうなじ、噛み付きたくなる……」 下肢に意識を集中させていた僕は、エストがうなじに舌を這わせた事に驚いて"ピクン"と僅かに跳ねた。 そしてペニスの先端から、"ぴゅ!"と透明な汁が僅かに発射される現象が起こって……。エスト~~~。 僕のちょっと怒った雰囲気とペニス具合を見たエストは、わざと僕の耳元で低めの甘い声で囁いてきた。 「……一回出してから"処置"に入ろうか、シャル?」 「ん、ぅンっ……エスト……。そうする……」 「分かった。そうしよう」 ―ふるん……っ エストの言葉にペニスが期待感に揺れて…… 「スカート汚さないように、ほら……持って……」 「うん、エスト……」 ―くちゅ……くちゅくちゅ……にちゅ、にちゅ…… 「……ぁ、あ、は、ぁあッ……。ん、んッ! ンぅ~~~っ……!」 「どうだ、シャル? 俺にどうして欲しい?」 「ぇ、えすと、きもち、ィっ! ぁ、あのね、カリ下、モットぐりぐりって……弄ってっ……! つよく、いじってぇっ……」 スカートを握り締めて、僕はエストに弄って欲しい箇所を口に出し、行為を強請った。 すると冷たいエストの大きな手が、僕の望みを叶えてくれた。 ―ぎゅ、ぎゅちっ! ぎゅちっ! ぎゅちっ! 「はぁうぅん! ぁ、ああぅッ!」 「シャル、こうか? ふふッ……」 瞳が紅い、吸血鬼としての能力を露にしたエスト。 そんなエストは僕のペニスを扱きながら首筋を舐めたり、甘噛みしたりして僕を更に追い詰めてきた。 そして扱いている手とは別な方の人差し指に流れている先走りを纏わせると、その指で僕のアナルを弄り始めた。 ぐちゅぐちゅとペニスをアナルを同時に弄られ、首筋を弄られて耳元で名前を囁くエストに、僕のペニスはいとも簡単に白濁を先端から外へ放った。 ―びゅーびゅー! びゅるるるるッ! ぶびゅううぅ……! 「は、は……ッ! はぁあん……エスト、でちゃッ……」 「ああ、シャル。出すんだ」 「ぅ……んっ……」 エストの言葉に僕は放出されるまま、前方に精を放った。 放ちながらアナルに挿し入れているエストの指を、僕は"きゅぅきゅぅ"と縋る様に締め舐めた。 そして白濁の放出が終わり、"ふにゃり"となったペニスを見たエストは「治まったな」と耳元で言うとアナルから指先を抜いて本来の目的の物を手にした。 「……それじゃ……ペニスを隠そうな、シャル」 「うん、エストッ……ぁン!?」 そしてエストはただ単に前貼りするのではなく、僕のペニスを……身体の内部に"収納"する様な処置をしてきたんだ。 ぅひゃぁ……? 本当に"収納"されて、正面から股間部分を一見したら女の子だよ、僕。 そして何で僕がこうしているのかと言うと…… 今夜……僕は、エストと一緒に、"ハロゥイン仮面パーティー"に参加するんだ。 場所はね……何と…… 国王所有の古城、なんだ! あ。紹介が遅れたね? 僕は淫魔の"シャル"。 あのね、僕は本当は廃教会で目覚めたんだ。ちなみに、以前の記憶は無いんだよ。まぁ、今のところ困った事が無いからこのままでも言いかなと思ってる。 そんな廃教会で目覚めた僕は、今は傭兵団で男娼をして兵の仲間から"精"と貰って傭兵団の館で生活しているんだ。 ……何でこうなったのかと言うと、目覚めた時、空腹に耐えられなかった僕が廃教会で酔っ払って高いびきを始めた傭兵団の団長さんを、性的に襲ったのが始まり。 まぁ、彼にその場で直ぐに返り討ちにあって、男の淫魔なのにアナルで「あんあん」を教え込まれて、アナル専門に目覚めさせられたんだけどねー。でも僕、コッチの方が向いてるって自覚あるから、それは問題では無いんだけど……。 問題なのは、僕のお腹が常に満たされなって事なんだ! 幾ら"精"を貰っても貰っても貰っても足りないと訴えてくる、僕のお腹!! ……び、病気とかじゃないよね……? ちょっと有り得ないけど、怖い……。 ま、まぁ、そんなこんなで腹ペコ淫魔の僕は傭兵家業の団長さんに拾われて、団員さん達から"蒼玉"交換で男娼として"精"を貰って暮らしているんだ~。 仲間は様々な種族がいて、みんな優しいから、僕とっても過ごしやすい! ご飯の"精"も美味しいしね~。 ―……そして……そんなこんなで今に至って、僕が持っている籠には、料理長と一緒に作った、たくさんのカボチャのクッキー! 古城での"ハロゥイン仮面パーティー"で「トリックオアトリート」と言われたら、このクッキーを渡すんだ~。 ただし、この様に食べ物を配るのは事前に許可を貰って、お菓子を配っていると分かる様に見える所に渡される"カボチャのブローチを着ける"必要があるんだ。 一応、国王主催のパーティーだからね、これ。警備上でこうしているんだろうなー。多分だけどね。 そして僕は渡されたブローチを前掛けに着けた。よし、これで準備万端! 基本、このブローチを着けている相手にしか、「トリックオアトリート」と言えないらしい。 クッキーが無くなったら、ブローチを自己判断で外してしまえば「トリックオアトリート」とは言われないで、そのままパーティーを楽しめる仕組みだ。 こういう社交のお呼ばれは団長じゃなくて、副団長のエストが主にこなしているんだって。 ま、縦・横の繋がりは大事だよね? 実力があっても、マメな方が生存率高いんだよ。 だからね、僕は"赤頭巾ちゃん"の仮装をしているんだ。 副団長? 副団長さんは、"狼"だよ。……と言っても、服装はちゃんとした感じで、狼耳と尻尾……って感じ。 傭兵団の狼の獣人さんの監修の下に製作されたから、出来はかなり良いよ! でも、今はハロゥインだからね、僕とエストは数箇所、包帯を巻いてちょっとホラーテイストを入れているんだ。 蘇った狼と赤頭巾ちゃん、って感じ? そして条件として、『仮面』を着ける。 仮面を着けて、本人の情報をそれとなく隠して、やんわりとだと思うけど身分を気にせず楽しむパーティーなのだそうだ。 だから、僕が王様と会話を楽しめるかもしれないんだよー! ああ、あとね、誰と分かっても、人前では"名前"を呼んではいけないんだ。 だから僕が副団長を呼ぶ時は「狼さん」、と呼ぶ事になるんだよ。

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