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異変
変わらないと思っていた。
ずっとアイツは一人で、それはこれからもつづいて、変わらず俺だけに目を向けると。
「立てって」
「かなとくーん、まだだからねー」
相変わらず好き放題にされてぼろぼろな格好で倒れている。
だけど、今日の奏斗は少し違った。
目が、違うんだ。
気づいてない周りに苛々してしまう。
「うっ……」
「また吐くなよ」
「マジ汚かったよなー、あれ」
俺と目が合うと、いつも怒りを含んだ目をしていたのに。
今日は目が合っても、その目で見なかった。
…そう。
俺も周りのヤツらと同じで。
まるで、興味がないように—。
「がッ!!……はっ」
思いっきり奏斗の身体を蹴った。
「お、おい…倉橋?」
周りはいきなり俺が勢いよく奏斗を蹴ったのを見て驚いていたが、そんなのどうでもよかった。
なんとなく、何も考えていない、興味のない目を俺に向けた奏斗が気にいらなかった。
「…うっ!かはッ…」
「おい、倉橋!もうそいつ死ぬって!」
俺は周りが本気で止めるまで奏斗を蹴った。
奏斗は地面に倒れていて、俺の方を見向きもしなかった。
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