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目的 2
なんで…なんで霧島がここに……?
霧島は放心しているように立っている。
「…ぁ……ごめんなさい………」
しばらく間が空いて、そう言うとその場を離れた。
何が起きたのか分からず立ち尽くしていると、声が聞こえてきた。
「ああ、ごめん。彼女も呼んでたの、忘れてた」
満足そうな顔をして嗤っていた。
嗤いながら、そう言った。
霧島も、呼んでいた—?
「…お前、なんであの子まで……」
「可哀想にね、彼女。お前と一緒にいたばかりに」
「は…?」
なんだよ、それ……。
「霧島は関係ないだろっ……」
すると、
「…クッ…ハハッ……」
カナが口の端を上げて笑う。
歪んだ笑顔だった。
「何…笑ってんだよ……」
正直、ゾッとするものだった。
「その顔だよ。
お前のその顔が見たかった」
なんだそれ……。
それが霧島を呼んだ理由…?
「霧島!」
走っている彼女に呼びかけたが、止まるはずもなく追いついてその腕を掴む。
反射的に振り返った彼女の顔はみるみるうちに歪み、目から涙が流れていた。
「…っごめ…なさっ……」
泣きながら彼女は言った。
なんで謝る…?
「霧島…」
「ごめ……ごめん、なさいっ……」
彼女は謝り続け、俺が腕を掴む力を緩めるとまた走って行った。
「ごめん」なんて。
そんなの俺の台詞だ。
俺が巻き込んでしまった。
霧島は何も悪くない。
「ごめん…」
呟いた言葉が誰もいない廊下で虚しく響いた。
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