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泣き顔 2

「…ゴホッ」 怠い。 頭に痛みが走る。 正直、ここまで酷い風邪をひいたのは初めてだった。 母親の言うとおり、俺は大抵熱が出ても少ししんどいとか咳が出るくらいで、あまり身体に違和感を感じないことの方が多かった。 頭痛は滅多にない。 「痛って…」 眠りたいけど、眠りたくない。 眠るとまたあの夢を見てしまいそうな気がして仕方なかった。 結局何をするでもなく、布団の中で体勢を変えたりして過ごしていた。 時計を見ると17時を指そうとしていて、「もう夕方か」なんて思っていると母親が部屋に入ってきた。 「直?ちょっと急に仕事入っちゃって今から出かけなきゃいけないんだけど、大丈夫そう?」 「……まあ、大丈夫」 「帰り、遅くなるかもしれないから。お粥作ってあるから食べたくなったら温めてね。火には気をつけなさいよ」 「…ん」 「それじゃ、行ってきます」 そう言うと母親は出ていった。 バタンとドアが閉まる音が聞こえて、一気に家の中が静かになる。 それから少し経った時、急に強い眠気に襲われた。 多分、朝に飲んだ薬の副作用の所為だ。 ずっと眠るのが怖くて我慢していたが、もう無理かもしれない。 俺はそのまま深い眠りに落ちてしまった。

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