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泣き顔 3
また夢を見た。
でも、どんな夢だったのか分からない。
昨夜のような嫌な夢ではなかったのは覚えている。
懐かしいような、でも苦しいような。
よく分からない夢。
「…っ……ん、……ぅ…」
—なんだ?
声が聞こえる…。
「……ぁ…ふ……っ…くっ」
所々途切れて何を言っているのか分からない。
……いや、何かを言っているんじゃなくて—。
「……んっ!」
突然下の方に違和感を感じて、思わず呻き声を上げる。
重い瞼を無理矢理開けると、
「…ぁっ、んん…はぁ、ああっ」
俺の上に乗ってカナが腰を振っていた。
「え…な、」
何?
何、これ。
何が起きて……。
頭の中で混乱しているとカナがこっちを見て、目が合った、気がした。
それでもカナはそのまま腰を振り続けた。
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