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泣き顔 4
「んっ、は…あっ」
カナの口から吐息混じりの嬌声が漏れていく。
「っ…は」
カナが動く度に下半身に刺激が走る。
やっぱり、俺のモノはカナの中に挿入っていて。
「んっ…まっ…ッ…」
一旦止めようと思い、手を伸ばそうとするが全然思うように動かない。
「あ、はっ…んんッ」
カナは淫らに腰を動かしていて、俺は抵抗らしい抵抗も出来ずされるがままの状態。
そのまま揺さぶられていると、何かが頬を伝って。
目を開けた途端、胸が詰まるような感覚に襲われた。
カナの泣き顔がそこにあった。
それを見て、頬を伝ったのはカナの涙だと知った。
「ふ…っく…ぁ…ひっ…」
嗚咽を漏らしながら泣いていた。
頬に次々と涙が伝ってシーツに吸い込まれていく。
それを見ただけでも苦しくなったのに。
「…お……ッ……ナオ…」
「…っ」
今までとは違う。
冷たい声ではない。
昔、呼ばれていたような声でもない。
こんなに胸が痛くなるような声で名前を呼ばれたことはなかった。
「ナオ…」
痛い。
「……ナオ…っ」
痛い、痛い。
痛くてたまらない。
「…う…ナ、オッ……」
またこれも夢なのか?
カナがこんな風に俺を呼ぶなんて。
あり得ない。
でも、名前を呼ばれる度に、胸が痛くて。
夢なのか現実なのかもう分からない。
もうどっちだっていい。
抱きしめたい。
抱きしめて、涙を拭って。
今までごめんな。
好きだよって言って。
愛してるって言って。
また抱きしめる。
なのに、どうしてなんだろうな。
身体が全く起き上がらない。
抱きしめたいのに。
本当は好きって、愛してるって言いたいのに。
動かないんだ。
言葉が出ないんだ。
ああ。
泣かないで。
泣かせてごめん。
傷つけてごめん。
抱きしめられないけど、せめて。
せめて、涙だけでも—。
そこで俺の意識は途切れた。
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