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恋人

病院に着き、そのまま受付へ走った。 「すみませんっ、柊 奏斗の病室ってどこですかっ…?」 息をぜいぜい切らせて汗だくで入ってきた俺に受付の人はびっくりして、だけど落ち着いた様子で聞いてきた。 「失礼ですが、ご家族の方ですか?」 「…っいや、違いますけど…」 「申し訳ありませんが、ご家族以外の方との面会はお断りさせていただいています」 「お願いします!会わせてくださいっ…!」 会いたい。 会って、ちゃんとこの目で、無事なのかどうか確かめたい。 「ですから…」 「顔を見るだけでいいんです、すぐに帰りますから…」 「あの…」 受付の人にお願いしていると、声をかけられた。 「あ…」 あの人だ。 カナと付き合っている、あの男。 「君……ナオくん…?」 「え…」 なんで、名前…。 「…はじめまして。北見 那央(きたみ なお)といいます」

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