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「大切」の仕方

お前には会う資格は無い。 あの人の目は、そう言っていた。 何かがのしかかったように身体が重い。 カナに傷を作ったのは俺だと知っているんだろうな。 「話聞いてて」とか言っていたし。 会わせたくないに決まってる。 「…どうしよ」 そんな事言ったって、どうしようもないけど。 俺がいない方がいいなんて、分かってる。 かといって、簡単に「分かりました」と言えるほどの気持ちは持っていないんだ。 「クソッ…」 意味の無い悪態をつくことしか出来ない。 余計に情けなくなってくる。 「じゃあね。また明日も来るから」 向こうからそんな声が聞こえた。 「また明日」なんて…俺がカナに言ったり、カナが俺に言ったりする日は、もう、無いに等しくて。 俺は… 「…あ」 ふと横を見ると、霧島がいた。 「あ…えっ、と……久しぶり、だね…?」 「…ああ」 あれ以来、学校でも会わなかったから本当に久しぶりだった。 彼女を巻き込んだことに、今でも申し訳ないと思っている。 「…どっか具合悪いの?」 「え?」 「いや…こんな所にいるから」 でも、霧島の服装からすると…違うか…? 「ああ…私じゃなくて、お母さんがね…。昨夜倒れちゃって…」 「え、大丈夫なのか?」 「うん、過労だけど安静にしていれば大丈夫だって」 母親の看病してたのか…。 「倉橋くんは?制服だけど…」 「俺は…」 俺は… 「…何しにきたんだろな」 本当に…。 「どうしようもねえ…」 何も出来ない。 ぐるぐると自分が回っているような感覚。 「………もう、いいんじゃないかな?」 そんな声が聞こえた。

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