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直 3
ナオの笑顔はいつも太陽みたいにキラキラしていた。
「カナ!」
眩しい笑顔でそう呼ばれると嬉しかった。
でも、胸が締めつけられるような感覚もあった。
俺はナオが好きだった。
ああ。
やっぱり好きになってしまった。
「カナは?好きな女子いないの?」
また男を好きになってしまった。
「え……いないよ?」
隠さなきゃ。
小学校を卒業して中学に上がると、何故か告白されることが多くなった。
もちろん、男じゃなくて女の子から。
男子は羨ましかったのか、よく「いいなー」と言われた。
「柊、スゲーよな。なんか選び放題って感じじゃん」
「いいよなー、モテるヤツは」
「俺も呼び出しとかされてみてえ」
「…別にそんなことないよ」
本当、そんなことないよ。
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