58 / 111
直 6
それは突然だった。
「なあ、柊ー。お前ってさ、
ホモなの?」
……………は?
「え…?」
「お前男が好きなの?」
「…な、に言って…」
なんで?
なんでそんなこと聞いてくる?
「だってお前、女が無理だからいつもフってたんだろ?」
「え…意味分かんない……」
いつもの冗談だ。
いつも通りの会話。
そう思いたかったが、周りがこちらを見て笑っているような気がして何か違うと感じた。
「おいみんなー、柊はホモなんだってー!」
一人のヤツがそう言うと、周りは一気に騒がしくなった。
「マジかよ」
「本当にいたんだ、そういう人…」
なんで。
なんでこんなことになってる。
俺は誰にも話してないのに。
話すわけないのに。
「…ち、違う!そんなんじゃ…」
「違うの?でも本当だって言ってたけど?
倉橋が」
「 え? 」
ナオがー?
ともだちにシェアしよう!