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直 6

それは突然だった。 「なあ、柊ー。お前ってさ、 ホモなの?」 ……………は? 「え…?」 「お前男が好きなの?」 「…な、に言って…」 なんで? なんでそんなこと聞いてくる? 「だってお前、女が無理だからいつもフってたんだろ?」 「え…意味分かんない……」 いつもの冗談だ。 いつも通りの会話。 そう思いたかったが、周りがこちらを見て笑っているような気がして何か違うと感じた。 「おいみんなー、柊はホモなんだってー!」 一人のヤツがそう言うと、周りは一気に騒がしくなった。 「マジかよ」 「本当にいたんだ、そういう人…」 なんで。 なんでこんなことになってる。 俺は誰にも話してないのに。 話すわけないのに。 「…ち、違う!そんなんじゃ…」 「違うの?でも本当だって言ってたけど? 倉橋が」 「 え? 」 ナオがー?

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