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雨の中の光 2
着いた先は、マンションだった。
「そのままだと風邪をひくから、風呂の準備するよ。ちょっと待ってて。タオル、これ使っていいから」
渡されたタオルを見て、本当に家にまで入ってよかったのかと今更ながら考えたけど、その間に手早く準備は終わり、制服も一緒に洗うからと言われた。
服を脱いで、ふと鏡を見た。
鏡に映る自分はかなり痩せていて、腹には痣がある。
腕も倒れた時に出来た擦り傷だらけ。
「……気持ち悪い身体だな」
シャワーを浴びると、腕の傷が滲みて思わず顔をしかめる。
最近、風呂に入ると絶対どこかは痛むな…。
そんなことをぼんやりと思った。
湯船に浸かると、すごく温かった。
久しぶりだからだろうか。
全然違うもののように思えてくる。
なんだか、ふっと息を吐きたくなるような感じ。
……安心、する。
「あの…風呂、ありがとうございました。服も」
「どういたしまして。あー…やっぱりサイズ、ちょっと大きかったか…ごめんね。身体は温まった?」
「はい…」
テーブルを見ると、美味しそうなものが並んであった。
「夕飯も食べていく?……あ、家の人がもう作ってるか」
「…両親は海外にいるので、いつも自分で作ってます」
「一人暮らししてるの?」
「そうです」
そう言うと、彼は少し考えるような表情になった。
「…じゃあ、一緒に食べよう」
……え?
「いえっ、風呂も貸していただいたし、夕飯もご馳走になるなんて…」
さすがに世話になり過ぎだ。
「そんなこと思わなくていいよ。食事は誰かと一緒にするのが楽しいし」
「……」
「君が良ければ…どうかな?」
今日は、いつもより弱っているのかな。
「……いただきます」
誰かと一緒にいたいと思うなんて。
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