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侵される 6
「はっ…はぁっ……」
動きが止まった。
お腹が、熱い。
じわじわと熱が広がっていく。
身体は全然動かない。
気づけばあいつはもういなくて、教室には俺一人だった。
ずるずると身体が机から落ちる。
すると、中から何かが流れていることに気づいた。
下を見ると床に点々と白いものが落ちている。
「……ッ!」
まさか。
嘘、そんな。
震える手で後ろに触れる。
指には、床に落ちているものと同じ色の、粘り気のあるものが着いていた。
それが太腿を伝っている。
「…ぅッ、」
吐き気が襲ってきた。
何も出なかったけど、治らなかった。
「はぁ、はぁ…ッ」
中にあいつの一部が入っていると思うと、気持ち悪くて仕方ない。
「はぁ…、…痛ッ!」
指を入れると、やっぱり痛みが走る。
それでも中のものを掻き出さないといけない。
「くっ……は、」
……自分の指だとやりにくい。
ちゃんと出来てるかも分からない。
でも全部出さなきゃ。
気持ち悪いのを我慢して必死に掻き出す。
「はぁっ、はっ……ッ」
まだだ、まだ綺麗になってない。
「…ッ……く、…ぅ……は、はぁっ…」
指を引き抜くと、色はさっきよりも薄いけど、糸を引いたものが着いていた。
血は着いていなかった。
一旦マシになっていた吐き気がまた襲う。
「おえっ…、はっ……ッ、ゲホッ」
苦しい。
気持ち悪い。
「けほっ…、…ッ……ひっ…」
まさかこんなことされるとは思わなかった。
いつも嗤うだけで、こんな……犯されるなんて。
今までで、一番惨めだった。
「ふっ…ひっく、……ぅ」
最悪だ。
なんか、もう、死にたい。
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