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復讐 3

少し顔を動かしてみると、口の中で擦れて妙にくすぐったい。 「…んっ……んぅ…」 噎せ返りそうなのとくすぐったさで、声が出てくる。 「んんっ……ふっ…」 「ぁっ…!」 か細い、吐息に近い声が聞こえた。 「もっ……ん、はな…せっ……」 その声から直の限界が近いことを知ると、俺は吸う力を強めた。 「んッ!…やめっ!…出るからっ」 切羽詰まったように言う直は俺を離そうとするけど、離さないように踏ん張る。 一瞬膨らんで、 「んんっ!…くっ……」 ビクンと跳ねて、熱い液体が流れてきた。 苦くて吐きだしそうになったけど、飲み込んだ。 「お前……」 「あー…不味」 不味すぎる。 やっぱり精液を飲むなんてするもんじゃないな。 後で口すすごう。 直が信じられないとでも言うような顔をして俺を見る。 まあ、確かに普通じゃないよね、こんなの。 「何驚いてんの?フェラくらいされたことあるでしょ?」 そう言えば視線をそらされた。 あの女か。 いや、別の人かも。 意外と大事にしてそう、あの女のこと。 でも、それでいいのか? 一番忘れてはいけないこと、あるよな? 「そんなに驚かないでよ。直は俺にフェラなんかよりすごいことしたくせに」 言った瞬間、直の顔がありえないくらい青くなった。 楽しい、愉しい。 「…カナ……」 その名は、静かに教室に響いた。 殺してやりたいと、確かにそう思った。 その首を絞めて、呼吸を奪って、声も出せなくしてやりたいと。 「…お前がその名前で呼ぶな」 もう二度とお前に呼ばれたくない。 そんな名前、さっさと捨ててしまえ。 「絶対お前を幸せにさせない」 絶対に。 だから、 「 忘れるなよ 」 そう、忘れるなんて許さない。 罪悪感を感じているなら、一生感じていろ。 罪の意識に苛まれながら一人で生きろ。 誰かのものになって、笑う人生なんて送らせないから。 その為なら何でも、性欲処理だってしてやるよ。

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