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告白
カナが目を覚ました。
「…カナ……?」
透き通るような黒い瞳が、俺を映す。
よかった。
目を覚ました。
ちゃんと生きてる……。
「あ…、大丈夫か?……奏斗」
もう呼ばないつもりだった名前を、思わず口にしてしまったことに気づき言い直すと、カナは顔を青くしていた。
………やっぱりそうだよな。
俺はここにいるべきじゃないよな。
俺なんかが、お前の傍にいるべきじゃない。
「…今出るから、安心して。北見さん、呼んでくるから…」
大丈夫、もう何もしないから。
分かってる。
「今まで、本当にごめん。……もう、関わらないようにするから」
顔は見れなかった。
自分が今、どんな顔をしているのか見られたくなかった。
きっと情けない顔をしているから。
部屋から出れば、本当に他人になる…。
カナにとってただのクラスメイトで、一生許されない存在になるんだ。
カナが望むなら、誰とも関わらずに生きていく。
行き場の無いこの感情の先を願ったりしない。
もう、これで終わりにしないといけないからー。
—ドサッ
後ろの方で音がして、振り返るとカナがベッドから落ちていた。
「どうした?!苦しいのか?」
駆け寄って身体を起こそうとするとカナはぐっ、と俺のシャツを掴んだ。
どうしたんだ…?
「行かないで……」
絞り出すような、掠れた声。
何を言われたのか分からなかった。
「…え?」
「……行かないでっ…!」
さっきよりも真っ直ぐで、刺さるような言葉。
もしかして、北見さんと間違えてる……?
いや…そんなことは……。
「………奏斗?」
俺がそう言うと、カナは泣きながら謝り始めた。
「…ごめ、なさっ…、ごめんなさいっ…」
どうしてカナが謝るのか全く分からない。
カナが謝る理由なんてない。
悪いのは俺なのに。
そして、カナが言ったことに俺はとてつもない後悔に襲われた。
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