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第22話

綺麗な彼の口からそんな言葉が出てきたことにびっくりした。 きっと久保さんとセックスをする女の子は優しくとろとろに溶かされて愛してると言い合うのだろう。 「俺、本気ですよ、スバルさん。冗談でゲイビ観て勉強したり、ローション買ったりなんてしません。本当にあなたの事が好きなんです。スバルさんも俺に好意があるように感じたから、こうして迫ってるんです。...そう感じたのは俺の勘違いですか」 ぼけっとしてしまった僕の両手を掴むとしっかりと目を合わせてくる。 必死な瞳が不安げに揺れるのが見えた。 「僕も...好きです。でも、」 「でもなんて聞きません。お願いだから...自分のことを穢いなんて言わないでください...」 僕のでも、の続きを言われてしまった。 でもどんなに妄想を膨らませても、彼の隣にいるのは綺麗な女性であって僕ではない。 彼の隣にいる綺麗な女性は赤ちゃんを抱いていて、きっと彼と共に幸せな家庭を築くのだ。 「...スバルさん...?」 「えっあれ.....おかしいな.....なんでもないんですけど」 「何でもなくないでしょう。なんで...」 頬に温もりを感じて手の甲でそれを拭うと、照明に反射してキラキラと輝いた。 さっき泣き止んだはずなのに。 どうしても止まらない。 「俺のこの気持ちだけじゃ、スバルさんを安心させられないですか」 子どものように泣いてしまう僕を、優しく見守るように体を包み込んで久保さんはそう言った。

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