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第5話
「お、お邪魔しまぁす...」
自分とほぼ同じ間取りの家に、身を屈 めて恐る恐る入る。
「スバルさーん?」
靴を脱ぐのに手間取っていたらキッチンに食材を置きにいった久保さんの声がした。
「あっ、久保さん...すぐ行きます!」
入ってみてわかったことだが、僕の部屋よりは少し大きい気がする。でも大体の間取りは一緒だった。
やっぱり最上階ともなると広いのか。
「スバルさん。今日の昼、パスタにしようと思うんです。いいですか?」
「ええぇ!『招かれる』ってご馳走になるってことですか!」
「え?だってスバルさんもお昼買ってたんでしょう?だったら2人で買って食べた方が効率いいし」
申し訳なさ過ぎてどうしていいかわからない。
きょとんとしている久保さん。なんでこんなオネエに構ってくるのかな...。
「ほら、スバルさんがよかったらですけど、食材分け合って作ったパスタって美味しそうじゃないですか」
長ネギを持って微笑む男でこんなに絵になる人はそうそういないと思う。
こんなにかっこよくて、会社ではキャーキャー言われててなんで僕なんかに構うんだ。
ノンケのはずなのに。
「なんで...」
「え?スバルさん今何か言いましたか?」
「いや...」
ついつい心の声が漏れてしまって慌てて繕おうとする。
でもやっぱり決めた。
「久保さんはさ」
「?はい」
「なんで僕になんか構うんですか」
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