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第6話

「え?」 「僕は...ゲイです。男が好きなんですよ。男にしか恋愛出来ないんですよ...っ」 ハッキリと告げて客の延長線上のような、友人の一歩手前のような。 この変な関係を終えてしまいたかった。 見込みのない恋愛は、辛いだけだ。 「なんで...スバルさん、泣いてるんです」 「ちがっ」 しゃがみ込んでしまった僕の目線に合わせて膝をつく彼の瞳を見ていたら、視界が揺れた。 ああ。 僕は思ったより彼のことを。 「僕...僕は恋愛対象が男だから...っ...久保さんが友人にするようなことしてるだけでも...ドキドキしてしまったりするんですよ.....。久保さんがなんとなくした行動でも...!僕は何か意味があるのかと思ってしまいたくなるんですよ.....!!!」 顔を覆おうとした僕の手を掴み、離さない。彼の僕よりひとまわりは大きい手のひらにカァッと顔に熱が集まる。 きっと酷い顔をしている。 なのに隠させてくれない彼の腕。 「ごめんなさい。俺の行動が軽率でした」 「く、久保さんは悪くないっ!!...僕が...僕が悪い」 「違うんだ。聞いてスバルさん」 更に力を込めて僕の両頬に手をやり、顔を向けさせる。 涙と鼻水でぐちゃぐちゃなのに、見せたくないのに。 「俺の方が先に知ってたんだ。スバルさんのこと」 「え?」

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