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第13話

「ほんまのこと言うてよ。別に怒ったりせえへんし」 嘘だ。 多分僕が好きな人が来るからだと伝えれば、第二ラウンドが始まってしまう。 しかも優しくしてくれないだろう。 「ほんとに...っ.....。なんでも無いんだ.....。」 「何でもないってなんなん」 「だから.....その.....明日お互いは休みじゃん。だから.....獅郎にうちで休んでてもらって僕が帰ってきたらまたえっちしたいなぁって」 どうだろうか。咄嗟に出てきたしてはうまいこと言えた気がする。 少し「えっち」とか可愛らしく言いすぎただろうか。 普段しない上目遣いとやらで獅郎の反応を伺う。 「.....そんなんずるいわ.....」 「獅郎?」 「そんなん言われたら、嘘やってわかってても問い詰められんくなる.....」 やっぱり嘘だとバレてしまったか。 それでも僕の嘘に乗っかってくれるようだ。 「ごめんね.....。言える時が来たら伝えるから、だからちょっと待ってて」 「はぁ.....わかった。今日は昴に美味しい夜食作って待ってるわ」 「ん。ありがとう」 申し訳程度におでこへキスをしてやった。

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