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第15話

「いらっしゃいませ~」 「おっ今日は日本美人だなぁ」 「やだあ!私、日本人ですよー」 「ドレスが和風だなってことだよ」 「これー?お気に入りなんです」 常連さんの林さんが開店から少ししてやってきた。目ざとくカウンターに座り、私と会話を楽しみたい様子。 店内は普段通り賑わいを見せている。 でも肝心の久保さんが一向に来る気配が無い。 .....期待している自分にびっくりした。 「今日のスバルちゃんはなんだか色っぽいねぇ」 「えぇー?そうですか?」 赤い顔をほくほくさせた林さんが大きく頷いた。 「なんだか昼間からやってたんじゃないかって思っちゃうくらい色気が出てるし.....。何より今日は椅子に座ってるしね!」 「そうねぇ.....うふふ」 もともとそういう街と言うこともあるし、自分が気にしていないのでセクハラは黙認している。 結構際どいことをされることもあったけど、私には決まったパートナーがいる訳でもない。 自分が気にしないから大丈夫だと言ってきた。 でももし今久保さんが来たら。その時私が戸田くんとセックスした後店に立っているなんて。 知られたくなかったから。 曖昧に微笑んだ。

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