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第6話

(あのね、涼真。報告することがあるの) エコーがかかっているかのように姉の声が聞こえる。 (ふふっ、驚くよ〜〜?あのね、もうすぐ結婚するの!) ふわりと、姉がよく使う香水と、あの日飲んでいたコーヒーの匂いがした。 (高校の頃から付き合っていた彼でね……大学を卒業したら式を挙げるんだ) それって、”まひろ”っていう例の彼氏? あの日と同じ言葉を僕は投げかけた。 (そう!真尋くん!かっこよくて爽やかで優しくて……もう本当に理想の男性って感じなの!) 良かったね、姉さん (ありがとう…。あのね、式で着るウエディングドレスももう買ってあるんだ。胸にリボンがあってフリルがたっくさんついてるの。あんまりにも気に入っちゃったから、真尋くん買ってくれたんだ) (いつかそれをね、わたしたちの娘に譲るの。それで、娘が大きくなって結婚するときにもう一度それを着てもらうんだ。そう言うのって素敵でしょ?) (男の子だったら、いっぱいスポーツを習わせたいな!真尋くんもバスケやっててね?真尋くんの子供だもん、絶対上手になると思うんだ。だってうちのエースだったし) (真尋くんってすごいんだよ?ファンクラブみたいなものもあったんだから。まぁ、私が最終的にその人たち全員に勝ったんだけどね!どやっ) (え?結婚祝い?やぁだ、そんな高価なものじゃなくてもいいよ〜。もうすぐ一人暮らしとかで金ピンでしょ?気にしないで) (えー…いいのに……そうだなぁ。あっ、じゃあさ、素敵な髪飾り買ってよ!) (ほら、私の髪長いでしょ?髪飾りがいくらあっても足りないんだ) (ね、安いものでいいからさ。そのかわり、とびっきり可愛いのにしてよ〜?そうしたら私結婚式のときに真尋くんにこう紹介するから!) この素敵な髪飾りを買ってくれたのが、私の自慢の弟ですってね

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