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第15話

どうか、そのまま終わりますように。 「……俺もだよ、鈴香」 無機質な音が受話器から聞こえた。何時間かと思われた真尋との会話は、たったの5分程度だったと電話の画面を見て知る。 ふぅっと喉に溜まっていた息を吐き出して通常の呼吸をしようとするが、一層吐息は激しくなるばかり。 「ハ……、ッア」 鈴香、 耳元で今は隣にいないはずの真尋の囁き声がする 「…ダメ……」 振り払おうと頭を掻き毟るが、視界に一房長い髪が飛び込むと真尋の影が背後から締め付けるかのように抱きしめてくる。 「………ッ!」 再び、ずくりと昨日の痕が涼真の身体を走った。 噛み付かれたところが 口付けされたところが 触られたところが 締め付けられたところが ……挿れられたところが 「ッ…」 見なくても自分の下腹部がどうなっているのかわかる。 涼真の蕩けた目は、ベッドルームへ向かった。

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