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Xlll

それから年末まで、怒涛のように毎日が流れていく 仕事納めの日はさっさと帰って眠りたかった。疲労と充足感でいっぱいだった ただ眠りたかった。 仕事納めをして、同僚と軽く忘年会をして家に向かう。酔いは回っているが不快感はなく、疲労感とあいまってフワフワしている。途中コンビニに寄ってビ一ルを買った。 この道を和泉と歩いたな、と思い出し けっこう自分は女々しいヤツだと自分をからかうくらいには酔っていた。 氷点下の気温の中、家につくころには酔いは醒めてしまうだろう。 でも疲れているからすぐ眠れるはずだ。明日は絶対昼まで寝てやると決める。 歩きながら、これから帰る人のいない部屋の寒さを思い出すと憂鬱になる。 ビ一ルにしないでウォッカにすればよかった。家にある、スピリッツを軽く飲む方が温まりそうだ。この時期、帰宅してコ一トを着たまま部屋が暖まるのを待つのがわずらわしい。 頬の冷たさが痛みに変り始めたころにようやく家に着く。 そして俺の酔いは一気に醒めた。 部屋のドアにもたれて和泉が・・・立っていた。

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