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同窓会(中学)編 8 ごちそうさまでした、と、おやすみなさいの間
「皆、うわぁ、カッコイイー! って、言ってたよ」
「そう? 暗かったからだよ」
「そんなわけないじゃんっ。皆、言ってたもん。超イケメンって」
「何食べたの?」
「あ、話逸らした。俺はドリア」
「へぇ」
「それからパンケーキセット」
「……へぇ」
「あ、食いしん坊って思ったでしょ?」
「んーん」
「思った!」
本当は少し思ったけど。でも食いしん坊なのは知ってるから。
寝る前のストレッチ、今日はすごくたくさん食べたから入念にしてた。日向はその間、ベッドの上に座って今日あったことを話してる。地元の同級生に会うのはとても久しぶりだったから、すごくドキドキしたこと。会って、久しぶりーってお決まりの挨拶をするのが面白かったこと。話し始めたら、昔のままでタイムスリップしたみたいだったこと。
いつもよりも弾んだ声でたくさん話してくれるのを聞きながら、ゆっくりストレッチをしていた。
これでさ、来年、お酒も飲めるようになったら気をつけないとだよね。睦月はお酒飲めるわけだから、やっぱりそういうの気にしてるんだろう。今になっても全くもって出っ張ることのないお腹とかさ。あ、それはお父さんもか。
でも俺も気をつけないと。
「伊都」
入念なストレッチを終えて、ベッドに潜り込んだら。
「ん? 日向」
「あの、今日、しないの?」
日向が俺の指をキュッと握った。
その手がとてもあったかい。
「でも、明日早番でしょ? たくさん話して楽しかったんなら少し疲れたでしょ?」
「うん。でも、したい。伊都が大丈夫なら」
「俺は、平気だけど、しんどくない?」
今度はその手を俺が握った。手を繋ぐと、嬉しそうに頬をピンク色に染めてくれる。
「平気だよ。伊都……」
キスをしてくれたのは君からだった。
「……ふふ」
「日向?」
そっと触れて、唇が離れると、楽しそうに笑ってる。
「彼氏自慢しちゃった」
笑いながら、俺の手をキュッと握り返して。
「カッコイイー! って皆が言うから、うん、かっこいんだって言っちゃった」
「うん。恐れ入ります」
「何、変な返事」
「だって、そんないうほどのものでもないでしょ? 俺の顔」
「顔だけじゃないもん。顔も、だもん」
「ありがと」
その手を離して、俺は自分の着ていたTシャツを脱ぐ。その間に君も服を自分で脱ごうとするから、慌てて、俺が脱がせて。
「そういうのしたことなかったからすごくなんか楽しくて」
「うん」
「ふふふ」
笑いながら、じゃれ合うようにキスをした。
「自慢しちゃった」
「うん」
ムードのある感じのさ、始まり方もすごく好き。丁寧に、ちょっと照れくさいけど、君の肌に触れながら快感を呼び起こすように始めるのも好き。
「もしかしたら俺変な顔してたかも。にやけてそう」
「そ? いいじゃん。日向はにやけてても可愛いよ」
「えー? ふふふ」
裸になった君の首筋に挨拶みたいにキスをしたら、快感じゃなくて、くすぐったそうに身を捩る、じゃれ合うような始まり方も好き。
「食いしん坊な日向も可愛いし」
「あ、やっぱり食いしん坊って思ってる」
「まぁ……」
「あー! ふふ」
おはよう、行ってきます、ただいま、いただきます、おやすみなさい、そんな挨拶とさ、一緒に並んでる。
「ん、伊都、好き」
「うん、俺も、好きだよ」
こんなふうに始まるのも好き。
「あっ」
薄い胸にキスをした。
「んっ……っ」
色白の君はあまり強く吸ってしまうと、真っ赤なキスマークが派手にくっついてしまうから、首筋は気をつけて。けれど代わりに、胸のところにはたくさん。
「やっ……ン、ぁ、あっあああっ」
その敏感な乳首にもキスをして、歯を立てて、齧ってあげると、気持ち良さそうに俺の頭をきゅっと抱えた。
「やっン」
さっきまでのはしゃいだ声が、とろりと蕩けて優しく甘く変わってく。
「あ、あっ……あぁっ……ん、伊都、伊都っ」
「うん」
前でピクンと揺れて、ちゃんと硬くなった日向のにキスをしながら、指で、中を探った。
「ありがと、日向」
さっき、今夜は我慢するよ? みたいに強がったけど、でもしたかったし、それに知ってた。日向がさ、今日、少しお風呂長かったの。
だから、ありがと。
お礼を言うと、少し照れ臭そうに真っ赤になってしまうから、その唇にキスをしながら、左手で前を、右手で奥を。
「伊都……ぁ、ン」
も、柔らかい。
「日向」
もう、すごく気持ち良さそう。
「あっ、伊都」
ここ、君のとても好きなところ。
「あ、あ、あ、あっ」
そこを指で擦ってあげると、俺の左手がすぐに濡れて、音がする。小さいけれど、食いしん坊な唇に深いキスをしながら、右手の指で君の狭い中をまさぐって。
「……ぁ、伊都」
「ん、待ってて」
ベッドの脇からゴムを出して、それを……両手が濡れてるから、ちょっと行儀は悪いんだけど歯で切って取り出した。
「俺の、彼氏……です」
「? 日向」
「って、初めて言ったんだ」
「うん」
「ありがと、伊都」
「?」
手を伸ばした君に捕まるように前屈みになった。
「伊都とだから、言えるようになったんだ」
君は俺の首にぶら下がるように捕まって。
「だから、ありがと、伊都」
俺の唇にキスをした。
「大好きだよ」
おはよう、行ってきます、ただいま、いただきます、ごちそうさまでした、それから、おやすみなさい。
「うん。俺も、大好きだよ」
挨拶と一緒に並ぶ。
「あっ、伊都っ、あ、ンっ……あぁっ」
「日向」
「あ、あ、あ、あぁあ!」
好き、もその中に並べよう。こうして。
「あ、伊都っ」
「日向の中、あったかくて、気持ちいい」
「ん、ぁ、嬉しい、伊都」
「動くね」
「ん、伊都っ」
こんなふうに抱き合うのも、とても好きだよ。
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