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干支【コスプレ】
攻 虎王
受 士龍
「なあ、お兄ちゃん。おとしだまとかねぇの」
正月早々に横に寝ている虎王に言われて、思わずデコをべちりと叩く。
コイツがお兄ちゃん呼びをする時は、大抵なんか裏があるような気がしてならない。
「1個しか違わねえのに、お年玉とかあるわけねぇだろ。だいたい金とか持ってないから」
「金が欲しいとかそういうんじゃねえよ。お年玉サービスしてくれねえかなって」
甘えるようにねだられるのには、可愛らしすぎて正直言って弱い。物理的なものじゃなければ、できるだけ応えてやりたいって考える。
「サービスって、何だ?」
問いかけるとベッドの下に置いていた袋をガサガサと手にして、ベッドの上へと中身を出す。
「干支プレイ」
ぶちまけられた中身はふっさふっさのモコモコした犬耳と首輪、しっぽつきのバイブなどだった。
「AV見すぎじゃねえか」
思わず呆れて呟くと、背中に腕を回されて引き寄せられる。
「絶対、士龍も気持ちいいから!つか、気持ち良くさせるから、な?いいよな」
赤い髪の毛を胸元におしつけられると、ついつい分かったと頷いてしまう。
まあ、姫はじめってワケだし、イベントもんにノッてやるのもいいかもしれないとか考える俺は、虎王にはかなり甘いと思う。
「痛いのは絶対やだからな」
「病みつきにはしちまうかも」
着ていたスエットを脱がしにかかってくる虎王の顔が嬉しそうで、何故かそれだけで俺は自分がお年玉を貰ったかのような喜びでいっぱいになる。
「こんなの着けるだけで興奮すんのか」
手を伸ばして、ダラっとさがった犬の耳のカチューシャを頭にかぶると、こくこくと頭を縦に振るので調子に乗って首輪を手にすると、先にこっちと言ってローション片手にのしかかられる。
「ちょっ、重い」
腹這いにさせられて尻のあわいをローションに濡れた指先をゆっくりと辿られて思わず身をすくめる。
「尻尾つけてから、首輪つけるからな」
「っ、マジでAVだっ、て」
ぬくぬくと緩やかに指を挿れられると、身体が徐々に痺れてくる。
「士龍は何でも似合うからな、可愛い」
頭を撫でられると、熱をもった体が震えてしまう。どうやら俺は虎王の手にすっかり飼い慣らされてしまっているようだ。
硬い無機質なシリコンの物体が内部にめりこんでいき、ふさふさとした尻尾が垂れ下がって太ももに触れてくすぐったい。
「ンっ、はァ、どうでもいいけど……からだ、たまんねえんだ、ケド」
バイブの電源が入り、ジリジリジリジリと身体の奥が震えるが欲しいところには届かない。
いつも虎王のちんこが擦る場所までは及ばない。
「尻尾フリフリして可愛いぜ。首輪着けるからな」
ニヤニヤと笑いながら鎖付きの首輪を嵌める虎王の手に、俺は早くエサをくれよと頭を擦りつけた。
【完】
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