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敗者【スカ】

※受 サイジェル(聖騎士) 敗者とは常に惨めなものだ。 侵略帝国マルジェラから同盟を切られて、攻め込まれたのはつい3日前だ。 同盟に甘えてなんの準備もしてこなかった神聖メルデ王国はあっけなく白旗を掲げ、臣下に下る印として聖騎士団を帝国に差し出した。 逆らう意思はないという全面降伏の証である。 戦勝パレードに沸く街中を団長のサイを先頭にして、腰布一枚という恥ずかしい姿で鉄球を引き摺りながら歩かされている。 広場の真ん中にあるという処刑場に向かっているのだが、騎士の鎧も全て奪われ、誇りすらもたせてはくれないらしい。 サイは絶望したように、処刑台を見上げる。 聖騎士の処刑をもって全ての国民の命が救われるのであれば、惨めに死ぬことすら誇りだ。 そう思いながら死に震える団員たちを振り返る。 「今日の処刑は、聖騎士団長のサイ、お前だけだ」 刑務の男がサイを指差してから、ざわつく団員を見やり一日ひとりしか刑を行えないからなと告げて、台の上にあがらせるようにサイの腕を引く。 処刑台の上には、断頭台のようなものが設置され、刑務者に促されて首と両手首を板の窪みにいれる。 カチリと音がして、板が上から被り抜けないように嵌め込まれる。 ここで、命が終わるのだ。 「メルデの聖騎士サイジェル、ここでお前の人間としての生が終わる。何か言い残すことは」 目の前には首を入れるだろう桶が置いてある。 ここで全てが終わる。 辞世の歌など唄えというのだろうか。 戦いばかりの人生だった。 悔いはないわけではない。 「来世は穏やかに生きたいものだ」 「残念だな、お前の来世は畜生地獄だからなあ」 くっくと刑務者は笑うと、サイの下肢に巻きつけられていた腰布を外して、引き締まった尻を露わにする。 「な、何をするっ」 体を固定されていて逃れることもできずに、サイは眼を見張る。 「サイ、オマエの人間としての人生は終わった。これからは、家畜として生きるんだ」 「く、うっ」 ぬるつく漏斗を尻に差し込まれて、思わず声をあげると集まった観衆から失笑がざわつくように聞こえる。 なんたる、辱めだろうか。 注がれる液体による圧迫と耐えきれない屈辱にサイは奥歯をギリギリと噛み締める。 滑りを帯びた液体と圧迫する苦しさに晒された孔口がひくんひくんと開閉を繰り返す。 「さて、家畜として最初は排便の仕方から躾ないとな」 刑務者は嘲笑い目の前に置かれた桶を手にとると、サイの尻の下へと宛てがう。 ぐいっと腹を足で刺激するように圧迫されると、堪えることが難しくなってくる。 「や、やめて、くれ。ころして、くれ。名誉ある……死を」 「もう聖騎士サイジェルは死んでいるのさ、お前はただの豚だからな」 グッと足の甲に力を込められ、堰が決壊して開いた口から桶へと汚物が垂れ落ちる。 「ぐあああ、ああアッ」 「これからがたのしみだな、サイ」 刑務者はニヤリと笑い、低く唸りながら恥辱に真っ赤な顔を歪める元聖騎士の頭を撫でた。 【完】 ※多分、調教編も書いちゃうかな。

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