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第4話 それは『無自覚』?それとも『確信犯』?

「……杉原先輩?」 冬休み中でも叶と会えるのなら、俺はどこでも俺はすっ飛んでいく。 今叶と俺は笹倉邸の祖母ちゃんが残した庭園にいる。 今日は叶の大嫌いな晴れだけど、叶のキラキラした髪が太陽と昨日軽く降った雪の光が反射して『綺麗』だ。 「なぁに?」 俺は平然を装って返事をした。 「何故か……今日の先輩は少しだけ何時もと違う感じがします」 「……いつもと違う俺じゃヤだ?」 俺のそんな言葉に叶は急に相手にされなくなって淋しくなった仔猫のように項垂れた。 もう……何で俺のこんな一言で表情がコロコロ変わっちゃうんだろ…可愛くて仕方がなかった。 (まぁ……でもまさか叶は俺がこんな邪なこと考えてるなんて思ってないだろうね) 「嫌では……ただ私は杉原先輩と一緒にいられることが出来るだけでも幸せです」 やっぱしそうだよね? 叶はどれだけ『魔性』なんだろね? 兄弟揃って叶には振り回されっぱなしだよ……。 叶は恋愛や人の感情には全く気が付いていないけど、『男』にちょーモテる。 『男』か『女』か判別が難しいほど『綺麗』で『可愛い』。 日本人の血はあまり濃くないから、天使みたいな金髪に近い色の髪、華奢な身体の割には抱くと極めの細かい艶のある肌。 童顔でビー玉のようにキラキラしたデカい目に俺が写ると……堪らなく高揚する。 今、叶に写っているのは俺『杉原 俊』だけだと思うと……最近叶を独り占めして支配したい感情が涌き出る。 (俺にとって叶はやっぱし、やめることが出来ない『麻薬』……だね) 叶は今可愛らしく俺の手を握りしめたり、眺めたり……してるけど、俺はそれだけでも欲情してるって知ったら……どうするんだろ? 叶は俺が抱いてる感情を知らない。 もう少しだけ……危機感を覚えないとダメだよ?とお説教したいくらいだった。 「叶は俺の手が『好き』だね?」 よくもまぁ飽きないよね……。 「……杉原先輩の好きなところは沢山ありますけど、……外は何処に人の目があるか分からないですから」 ……これは、無自覚? それとも確信犯? 叶のスイッチははっきり言ってしまうと俺にはよく分からない。 「叶……外は寒いから部屋に入ろうか?」 だから……俺は賭けに出ることにした。

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