「……せっかちだったんですね…先輩は……」 「……は……？」 叶の耳元に俺の唇があるように、俺の耳元に叶の唇がある。 掠れた声で……小声でも聞き逃せない。 俺の手が止まると、叶は息を整えてから話し出す。 「……今日の先輩が…何時もと違うことくらい……私にでも分かります」 ……あーあ、 「バレちゃった……？」 叶にいつもと違う俺に気付かれた……ホントにカッコ悪い。 今更ウソついても仕方ないし、俺は正直に話すことにした。 「叶は俺とのセックスに満足してる？」 直球過ぎた質問だったのか、間近にある叶の顔が一瞬ビックリした表情になってから……またリンゴのように赤くなった。 「いっ……いきなり何ですかっ？！」 「俺のセックス最後かなり切羽詰まるし、毎回そんなんじゃつまんなくない？」 「……そっそんなこと考えてたのですか…」 俺はゲイビを観て勉強しようとしたことと、心のどこかで叶と俺のセックスがそのゲイビの男優達に負けているのではないか……と焦っていて、逆にいつものようなセックスすら出来ない状況になっていたことを打ち明けた。 すると叶は俺の頬をぺちぺち叩いた 「杉原先輩はよく私を馬鹿と言いますが、先輩も馬鹿です」 「……」 「杉原先輩と私は本気の凄い『恋愛』をしているのですから……『お仕事』でしている方々には、私たちは負けないと思います」 そんな『言葉』を口にした叶はマジな顔をしていた。 「……ふっ……そうだった……」 俺は叶の『言葉』で目が覚めた。 叶と俺は今まで凄い『恋愛』をしてきたし、多分これからもそれは続くんだと思う。 「先輩はいつも通り私を力強く引っ張って行ってくれなければ、私が困ります！……よく悩む私が進めなくなったらどうやって歩いたら良いのか分からないです」 叶は……こんな子だったことを忘れていた。 だから俺は叶を『好き』になったんだった。 『直向き』で『純粋』で『綺麗』な『男の子』だから俺は叶が良かったんだ。 「叶、どうしよう」 「…？どうかされたんですか」 俺は叶の耳元に自分の唇を付けて…、 「……叶に惚れ直しちゃった」 そう『告白』した。 俺はまた叶が更に『好き』になり……堪らなく『愛しく』想った。 それと同時に『愛』したい。 心も……身体も、俺と『繋げたい』。