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第102話 別れの小宴 -1-

「……何だ、あの人形使いの所に行く途中だったのか」 「知っているのか!?」 朝になり、俺達はビャクリ……ポンコの屋敷から本来の目的地の"湖畔の砦"へ向かう為に彼に道を聞いてみたのである。そしたらさ、意外や意外、ポンコはその人形使いの"ユーゲンティナー"さんを知っていたんだ。これはラッキーだよな? な? 俺が"おおっ!?"という感じでガッツポーズを決めてる一方、ポンコは半眼でどこか疲れた様な顔色に変わっていた。何だ? 「知ってるも何も……余りの熱心なしつこさに"動き"を提供した相手だ」 「……は!!?」 "動き"とは? しかも普段はポンコは魔物の姿のはずだよな? よく見ると、他のニードルポンコ達が、もっさりとこちらに背を向けて拒絶しつつ固まっていた……。そ、そんなに嫌なのか……? 俺がそんな彼等に視線を向けて居ると、顎に軽く手を当てたポンコが声を掛けてきた。 「……良し、アサヒ、奴の砦近くまで連れて行ってやる……そこで"お別れ"だ」 「…………分かった。……ポンコ……ありがとう……」 そっかぁ……お別れだな……。そこで別れて、ポンコ達は別な土地へ……。 そう考えると何だかこう……鼻の奥がツーンとしてきた……。端的に言えば"別れるのが寂しい、悲しい"って感じか? 「いや、俺達の方が"ありがとう"だよ。アサヒ、シュトール」 俺の言葉にポンコは静かな微笑と共に言葉を返してくれた。 それからシュトールの前に行くと、ニヤリとした少し悪戯めいた笑みを浮かべてシュトールに話しかけ始めた。 「シュトール……あえて俺はこの対応のまま、去る事にするよ。ありがとう」 シュトールは一瞬口を緩く開いたが、直ぐに閉じると試す様な視線をポンコへ向けた。 「……何だ……気が付いていたのか」 「そんな上級の魔力はそうそう無いよ……ふふふ……。他の仲間達はシュトールの魔力のトリコだ」 「はは……このタヌキめ」 「ふふふ……。ま、魔力だけじゃないけどな、仲間達はシュトールをとても好いていて、いつでも撫でてもらいたがっているよ」 ポンコの言葉通り、先程まで背を向けていたタヌキの数匹はチラチラとシュトールへ視線を送っている。 「確かに」と言ってからシュトールがチョイチョイと呼び寄せる仕草をすれば、トテテテと進み出る者が現れタヌキの山が崩れ始めた。 「シュトール大人気だな」 「アサヒ」 俺の方を見て、"ふっ"と口角を上げてポンコが微笑んできた。何だ? 「道の説明をしてやるから、アサヒ、こちらへ来てくれないか? シュトールは仲間が放したがらない様だしな」 「おう、分かった。んじゃ、シュトール、ちょっと聞いてくるな」 「ああ、頼んだアサヒ。悪いな」 「いや~、大丈夫! 大丈夫!」 そこで俺はタヌキ達を愛でているシュトールを置いてポンコの後に着いて行って、とある一室に案内された。 適当に座りながら、俺はポンコが描き出した地図を見ながら道の説明を受けていた。 「―……良いか? 後はここの道を真っ直ぐ行くだけで良い。湖に隣接している古めな建物が"目的の砦"だ」 「ふんふん?」 どうやら地図も道順の説明も完成して、"終わり"かな? 俺は「分かった、さんきゅーな」とポンコに声を掛けつつ、地図を仕舞おうと手を伸ばした。 しかし、ポンコの声が「アサヒ……」と俺を呼んだと分かった次の瞬間、俺達は…… 「ん……」 「ん? ……んッ……!?」 ―……唇を重ねていた。 「な……何だ……? どうした?」 「どうしても、今したかった……」 驚く俺に、熱っぽい視線を向けながらポンコが答えてきて……その回答に……いや、全てに何かが一瞬にして外れた。 「ん、んっ……」 「んぁ……ぅ……」 頭を引き寄せて、強く吸い、舌を伸ばせばポンコも答えてきてくれた。 幾度目かの重ねの時、俺はポンコに付けたあの紐が緩んだのを良い事に、彼の頭から解き去った。 「……紐が……」 「……また後で結んでやるよ」 緩んだ紐をわざと髪から解き、傍の畳の上に置いてやる。ビャクリは視線で紐を追い、どこに置いたか確認した様だ。 解かれた事により髪の流れが増えてビャクリの顔を覆う面積が増えてしまった。 俺は掛かった髪の毛を手で別な方向へ流してやりながら、ビャクリの唇へ俺のを重ねた。 「……ポン……いや、ビャクリ……」 「アサ、ヒ……」 「んッ……」 「ん、は……」 少し啄ばむように幾度か行為を繰り返してから、「はッ……」と言う吐息と共に唇を離す。唇は離れても、まだお互い近い距離に顔があり、互いの瞳には最大限の己が映っている。 それから再び相手を瞳奥に仕舞い込みながら、俺達は深く唇を繋げた。 お互いの熱がどこかもどかしく、頼りなく……僅かなそれにもっと触れたいと感じた。 その時、ビャクリの手が俺のペニスを服の中から発き、緩くそれをすく動きを見せてきた。 そしてビャクリに触られながら、俺のモノは段々と熱い芯が出来始めた。それを見計らって、ビャクリが俺に話し掛けてきた。 「アサヒ、アサヒのを……俺の口の奥に出して……」 「びゃく……」 「全部、全部飲むから……そうすれば服も汚れないだろ? な?」 「……ぁ、ッ!?」 「アサヒのッ……もっと堪らなく欲しいんだ。シュトールのより、俺を焦がしてくる……んッ、んんッ……ん~~!」 そう言いながらビャクリは晒された俺のペニスを一気に咥えて来た。口内の温かい温度に急激に包まれ、俺はとっさにビャクリの頭に指を差し入れて上引き上げた。すると、"ずろろろ……"とした裏筋を舌の感触が這い上がってきて、俺は「くぁ!!」と仰け反ると同時に思わず声が出た。い、今の……声の音量……大丈夫か……??? 「……アサヒ、今の良かったのか? 腰が動いたぞ……ふふふ……それに……」 ―トロォ…… 「出始めたな」 「……ッ!」 俺の変化にビャクリは満足そうにペニスを咥えるのを止めて、口内に生まれた透明な液体を見せ付けるように舌先に伝わせるように出した。 ポタポタと唾液と混じったそれを数滴、俺に落とし、今度はペニスの先端を咥えて来た。 「ほら、もっひょ出ひぇ。んッ」 「……ぇ? ぁ……ッ、くッ……!」 じゅるじゅると音を立てながらビャクリはいつしか先端だけではなく、全体を吸い、包む動きを繰り返していた。 そうしながら、浮いた腰から器用に下の服を全部脱がされてしまった……。 「……ッ! くぅ……!」 「……良いから、アサヒ……出してしまえ」 「~~!?」 ―びゅぐッるるるるるッ!! 言葉とほぼ同時にビャクリは俺のペニスを舌を絡めながら強く吸い上げ始めて、俺は催されるまま吐精に至った。 俺の精を本当にゴクゴクと喉を鳴らしながら、目の前のビャクリ僅かに頬を染めて飲んでいる。 飲み終わると先端の穴に舌を這わせ、チロチロと動かした後、上目使いで俺に事の終わりを告げてきた。 「ん……全部飲んだ……美味かったぞ」 「……!」 この言葉を聞いて、俺はビャクリの着物の裾を捲り上げて、ビャクリの尻に手を伸ばした。 ……もぉさぁ、我慢できないってか、これで終わりとか無理無理! 「今度は俺に、触ってくれるのか? ……ぁッ、ひゃぁ……ッ?」 「こんな姿を見て、我慢とか、キツイ」 「あ、っは……ぁあッ……」 「ビャクリ、タマンネェ……」 揉みながらアナルの付近を指先でなぞり、誘ってみる。するとすぐさまこんなお言葉が…… 「アサヒとシタばかりだから……直ぐ出来ると思う。……まだアサヒの形のまま、だ。だから……もう……俺にキテ……?」 「……分かった!」 その言葉に、俺は具合を見るためにビャクリのアナルへ指を一本、二本、と差し入れ動かした。 柔らかく押し戻そうとするそこに突き立てた指をバラバラに動かせば、ビャクリの身体が腰をくゆらせてるて求める動きを見せてきた。おおッ……。 そしてビャクリのペニスからこんもりと溢れてきた粘性の液体を指に纏わせ、更に慣らしの作業を施した。 「ぅ、あッ……!」 「本当だな? 俺の指をこんなに容易く受け入れてくれるなんて」 「指、より、早く……アサヒぃ……」 「分かってるよ、ビャクリ」 ―じゅぬッ……じゅっ……じゅッ…… 「……くッ……」 「ふぁ……ッ……! あ! ……ぁあぁ!!」 指からペニスへと変え、挿入時の圧の違いにビャクリの嬌声の音量が上がった。 幾らか解れていたと言えどもやはりキツい……。何度も擦り付けて奥へと俺のを埋めていく。 「んっ、んッ……ぅぁ……!」 「ッ……は、ぁ、ぁぁ……! あッ! ぁ!」 俺が進む事にビャクリはくぐもった甘い声をどんどん漏らす。 "ちゅぷんちゅぷん"と言う水音も段々静まり、ビャクリの尻と俺の肌が触れた。 「はいッた……?」 「ん、ビャクリの中……温かくて気持ち良い。俺のも喜んでる。ほら」 ―ちゅぷッじゅぶッ! 「あッ、ひゃ、ん、ッ、……!!」 「ビャクリは? 俺のどう?」 「き、きもち、い、良いッ……!! アサヒのッ、好きッ……! あッ! んッ……!」 「そう? それはすげぇ嬉しいな? ほら、こっちも弄ってやるよ」 「胸ッ……の……?」 「ああ、ほら……」 ―きゅにゅ……スリスリ…… 「ぁ……、そんな両方……引っ張って……先端ばかり擦るな……! んぁあ……!」 「でも、こうして欲しいんだろ? 良い感じに締まって来るし、前からダラダラ垂れてる。正直に言えよ」 「んッ……ん! 気持ち良い……アサヒぃ……」 胸にある紅く色味を増したそこをしこると、ビャクリはビクビクと震え、涎を流しながら更に善がり始めた。 「んッ! あ、ッ! きもち、いぃ……!!」 「俺も、気持ち良い……ビャクリ……!」 ―ジュグッ! ジュグッ!! 動く度に気持ち良いと感じる場所のお互い擦り付けて貪り合う。 ビャクリは自分でいつの間にか好きなように自分のペニスを弄っていて、突きながら見せられる自慰の視覚的興奮に俺の熱も上がった。 「ビャクリッ……そろそろイキそう……だ……! でも、ビャクリの服が……」 「ぉ、俺は大丈夫……似た、服に、着替えれば……良いから……ッ! 出して……! 中に……全部、だしてぇ……」 息も荒く、俺の言葉に中出しを要求され、俺はビャクリの中にそのまま猛ったものを放出した。 熱い迸りがビャクリの中に飲み込まれていく動きを感じながら、俺は更に結合部を押し付けて奥を犯した。 「アサヒのが……熱いのがいっぱいクルよぉ……。ひッ……ひぁっ……ぅう……あつぃ……! おれッ、も、だめッ……イッちゃぅ……イクぅ……ぅ!」 「ビャクリッ……!」 くぷくぷと結合部から外に幾らか溢れ出るのを感じながら、俺はビャクリの望み通りに中に吐精し、ビャクリも白濁した粘性を紅く熟れた先端からビュウビュウと放出してきた。 そしてぶるぶるとお互いの痙攣を密に感じながら、俺達は果てた。

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