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第110話 俺 ≠ 人形 -4-
「……アサヒくんをこうして全身で堪能したからね、目で愛でる"人形"は要らないかなー」
ちょいちょいと指先で俺の口元にある水色の髪の毛を除けながら、おっさんが俺に話し掛けている。
「―……ん……?」
「人形は、こんな可愛い声、出せないもんな?」
そうニコリと微笑むと「気が付いたね」と一声俺に向けてから、おっさんは太股を撫でてきた。
ゆっくりと、表面を撫でる動きに俺は再びゾクゾクとした感覚に支配されてきた。
「ふぁ……また……そんな触り方……」
「触るだけじゃないよ」
「ん、ぁ!? あ! ま、また……!? ん……んんッ……!」
―ちゅく……ちゅく……
先程吐き出した精液を指に纏わせてからまだ柔らかい俺のアナルに浅く差し入れて、おっさんは俺の反応を見ながらそこを弄り始めた。
「ぁ、ん、ッ……! ん!」
「そう、今度は"中"。アサヒくんとの"中で"が知りたい……んだけど?」
そう言いながら、俺の首筋に鼻梁を摺り寄せて"甘えている"と見える行動をおっさんはしてきた。
でも甘えながら、おっさんは実は指を二本分を根元まで俺の中に差し入れて掻き回したりしていて、なかなか凶悪である。
おっさんのその行為で、俺は再び来た靄のかかる快楽に囚われていった。"もっと"を欲してしまう。
「強請る視線だね、アサヒくん。僕もそうだから嬉しいよ」
「……ひ、ぁ……!」
俺が向けた視線でおっさんは指を抜き去り、今度はすでに熱く勃っているペニスで俺の中を再び開いてきた。
で、でもさ、ここは居間っぽい部屋でさ……?
さすがにもっと……心情的に落ち着いて出来る……トコが良いって言うか!
敷物の上よりかさ……
「な、なか、には……べ、ベッド……ベッドの上で……なら……この部屋は……はぁ……ッ……ぅ……」
「そうか。そういう場所なら"して"良いんだね? じゃ、行こう行こう!!」
……あ……ああー! 俺は勢いで何て事を言っちまったんだ……!!
「それなら僕の部屋で良いよね?」
「え、ぅ、うん……って、何で俺の事……その……挿れたままで持ち上げてんの……?」
そう、俺はおっさんに対面で繋がって抱えられた状態で居る。開脚状態で浮いた足が何とも心もとない……。
本来の服は人形が後から持ってきてくれると言われ、俺とおっさんは長い前開きのガウンみたいな物を着ている。
「このまま移動するから」
「は!? え!? ぁ、ひぅう……!!」
「大丈夫、階段は使うけど少しの距離だし……誰も居ないよ」
「ぁッ、ほんと、だな……?」
「うんうん、ほんとーだよ」
おっさんが歩く度、階段を登る度に"ヌプヌプ"とした攻めが来て、俺は常に細かな嬌声が出るのを押さえられないでいた。
しかも、そんな俺の状態を本当に楽しそうにしているユーゲンティナーのおっさんは……酷い! 悔しいから肩口を軽く噛んでやった!
そしたら、俺が噛んだ位置とほぼ同じ所を、俺を壁に押し付けて固定してから吸い付いてきて……痕を付けられてしまった……。
その行為の後の笑顔といったら……。
……お、大人しくしておこう……。
とにかく、こうして俺はおっさんの部屋までゆっくりと"常に穿たれる状態"で連れ込まれたのである……!
「どこか苦しいところがあったら言ってね?」
「うん……分かった……」
そう言いながら、おっさんは寝室のシンプルだけどデカイベッドの上に俺を仰向けに置いた。
俺は今、ユーゲンティナーのおっさんに対面で組み敷かれている。まぁ、おっさんと向かい合っているこれは……正常位だな。
―じゅぶッ……じゅぶ……
「……あ、ぁ……いいッ……んぅ……」
「どうしたの、アサヒくん……苦しいの?」
―じゅぬッ!
「え……? ……ぁ、ああッ……!?」
「ほら、ここかい?」
ちが……! そこは気持ち良過ぎ……って、"苦しい"って、そういう事……か!
「……そ、そこ……苦しい……もっと擦って……。はッ……ぁ、あ……」
俺の答えに「ふふ……」とだけ笑いを漏らしておっさんは俺の答えに、そこを攻めてくれる事で示してくれた。
―じゅぷッじゅぶぅ……じゅぶじゅぶ! じゅぶッ!
「はッ、ぁ、あ、あ……んッ……んぅう! う! ~~~!!」
「どうして声を急に抑えたの?」
「おか、しな声がでそぉ……だか、ら……ッ! ひぅう!」
「いっぱい出して良いんだよ? ふふふ……」
そう言いながらおっさんは俺の肋骨辺りを人差し指の背でゆっくりと撫でている。
その僅かな擦りすら、ぞくぞくの対象なのだ。
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