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第111話 俺 ≠ 人形 -5-
「あ……ぁッ……!」
―ぬろぉ……
「この引き抜く感じ、気持ち良いの?」
「ぅン……ぞくぞくキた……」
―じゅぶっ!
「~~! ……ッ、は!」
引き抜きの後の突然の穿ちに、思わず背が弓なりになった。重い痺れが頭上に駆け上がった。
「アサヒくん……君はどんな人形より肌理が細かいね……」
「ふッ……ぁ……あ……」
そう言いながらおっさんは、背が弓になった事により突き出した俺の胸の尖りを親指の腹で数度潰してから、舌を這わせて"ちゅう"と吸って来た。
ちゅうちゅうと吸いながら、残りの尖りを引っ張られ、俺のペニスはピクピクと動いて覆っているおっさんの肌を叩いた。
そこにヌチヌチとした粘性の糸が、当たって離れる度に透明な本数を増させてく。
「……今度、浅黒い肌の子でも……作ってみようかな?」
「ぅ……あ……?」
暫くして乳首から離れ、俺の口角から垂れ出た涎を指で掬い取りながら、おっさんは俺を見てきた。
「……その子は完成しても、誰にも見せないで置くのも良いかもしれないね」
「…………?」
「アサヒくん、君は明日の朝……王都に帰ってしまうけど、どうやら俺はここ数日で本当に君に陶酔してしまった様だ……。だから"型"が欲しかったのかもしれない。閉じ込めたいと、本当に……思ったんだ……」
「おっさん……」
「でも、やっぱり自由そうな君が一番……見ていたいし、その瞳はこの世に一人で良い」
―じゅぶっ! じゅぶ! じゅぶ!
「……はッ、あ、ぁ! 深く……!?」
「中、出すよ?」
「ぅ、うん……ン、なか、ほし、ぃ……! おっさんのでいっぱい……にして、くれよ……ッ」
「良い子だ」
おっさんは俺の強請る言葉に口角を片方上げて、いっそう腰の動きを速めてきた。
その事により、肌のぶつかる音と振動が増して行為の激しさが分かってきた。
「……アサヒくん、俺の名前、言って? 分かるよね……?」
「ぁ、あ……ユーゲンティナー……! ゆ、げん……てぃなぁああぁ……!」
「そうそう……泣き声が良いね……! 出すよ……!」
―ぶびゅるッ!びゅるびゅるびゅるぅ!!!
「~~~くぁ……ぁ……! あ! あっぃ……い……ッ」
「ぐッ! ……はッ……アサヒ、くんッ……」
ユーゲンティナーのおっさんの吐き出しが、俺の中を駆け上る様に内部を蹂躙していくのが分かる。
そして俺は、そこから生まれた暴力的な甘い刺激に頭が今日の中で一番完全にショートし、自身の紅く張った先端から白濁をぶちまけた。
―ちゅぽ……
抜かれた先から俺のアナルとおっさんのペニスが白い糸で繋がっているのが、まだ感じられる……。
「おっさんの熱いの……いっぱい俺の中にある……」
受け切れなかったのは垂れ出ているけど……。派手に散布した俺のごと思わず腹を撫でちまう。
「あーアサヒくん、エロ可愛い。即行でここに閉じ込めて嫁にしたいくらいだよ」
「は!? よ、よめ……!?」
「まー……。それは行き過ぎた冗談……にしとこうか。
…………アサヒくんは好きな人、とか、居るの?」
「すきなひと……」
―……かーちゃん……
「かーちゃん……?」
「え? お母さん?」
「……は!! ……違う! そうじゃなくて……!」
やべぇ! 事後の呆けた頭で答えをそのまま口に……!
「まぁ、そうだね、オバケの人形の名前が"オッちゃん"なアサヒくんだからね」
「は……はははははは……そうそう……」
「ははは……」
お、思わず笑って誤魔化しちまった……。
"かーちゃん"の元は"神様("か"みさま)"からで、実は"カーティティス神 "の事……なんだけど……。
「でも今は僕の事だけを考えてね?」
「うン……ん……」
そう言いながらおっさんは俺の唇を覆ってきた。
かーちゃんとは違う唇の感触と、俺を呼ぶ掠れた低い声、優しく撫でてくれる手……。
―……これはこれで好き……。
俺は口付けをしながら緩く髪を梳いて来るおっさんの背に、精一杯、手を回した。
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