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第114話 「お帰り」 -3-

「……く……ッ……あ、び……でる……出る! ちゃんと全部貰えよ……!!」 ―びゅぐ! びゅううぅぅう……!! 「……んく……ン…………ん……! んん!!」 「アビ……」 俺が出した精を必死に"んくんく"と喉を鳴らしてアビは飲み干そうとしていて、俺はその間彼のしなやかな黒髪を梳いて頭を撫でてやった。 頬も結構膨らんでいるし、ゆっくりで構わないんだけど……。 やがて頬の膨らみも無くなり、"ジュル"と最後に残滓を吸い出したアビは俺のペニスから口を離した。 「―……ンぁあ……ぁ。……のんだ……全部、飲んだよ……ね? ないでしょ?」 最後にそう言ってアビは俺に濡れた小さな舌を出して見せてきた。可愛いヤツめ。 見上げてくる潤んだ黒い瞳が僅かに弧を描いて、それが何故かいつもより大人びて感じて……? ……って? ん? 「……あれ? お、おお……ぉ? ……もしかして少し……育った?」 「……本当だ……。上手い具合に魔力が少し満たされたのかも……?」 確かに今の見た目は中学生から、高校生に変化した位の違いを感じる……。 「…………じゃ、ちょっと成長した僕のお祝い、頂戴? ……ここに……さ?」 そう言ってアビは自ら尻たぶを開いて、俺に強請りヒクつく桜色のすぼまりに指を二本、出し入れたり広げたりしながら強請ってきたのである。 先程自分で塗りつけていた濃い残滓のてかりが、俺をその深みへと誘っている……。 劣情を煽られ、俺は今回もその桜を散らしてやりたくなった。 俺はそんなアビに言葉は掛けないで、後ろから彼を抱き覆った。 更なる慣らしの後、"じゅぶ"と俺の熱い猛りをアビへと深く埋め込んだ。 「―……ッ! はぁ……イイッ!」 「~~~~!!?」 その一突きでアビから声無き嬌声が起こり、身体が痙攣した。どうやらイッた様だ……。 見れば、前方へと射精した後が……これはトコロテン状態だ。 ヒクンヒクンと微振動をするアビの身体を背面から対面に変えてやり、俺は再びアビを強く揺すってやった。 俺の抽挿に合わせて、腰が揺れ、アビは両腕を上げて俺を求めてきたので、そのまま前傾になって彼に背中に手を回すのを許した。 「あ、ぁあッ……! ふかぁぃ……熱いよぉ……! ぁ、ぁ! ぅう、ぁ!」 「アビの中も温かくて気持ち良い……ぜ……」 「アサヒぃ……! ぃ、あ、ぁ……! ソコぉ……そこ、好きぃ……」 どんどん速度を速めていくと、アビはたまに軽くイクのか、ペニスの先端を紅く張り詰めさせて熱く白い粘性を少量ずつ飛ばしていた。 「アサヒ、俺に……痕、を、頂戴……! こうするのはアサヒだけだよ。だから、僕に……アサヒの痕、つけてよ……ッ」 「……ッ! 可愛い事言いやがって…………良いぜ?ほら……」 ―……そんなお願いされちゃなぁ? そこで俺はアビに覆い被さったまま、彼の心臓辺りを一、二舐めしてから吸い付き、そこに紅く"俺のだ"という痕を付けた。 ―……ちゅ……ぅう…… 「ンッ……ぁ……ぁはッ……!」 俺から付けられた痕に指を這わせてアビは満足気に笑い、いつの間にか自分で弄り射精準備完了のペニスを俺へと向け…… 「……はッ……んぁあッ! アサヒッ……の痕ッ!! 僕、アサヒのに……なッ……ひゃ……!!! ぁああッ!!」 ―……俺の腹へと熱く滾った精を迸らせたのである…… その熱さにゾクリと震えが来た俺は、結合するお互いの肌を強く擦り合わせて、啼きイくアビの中深くに俺の熱い精を放った。 ―……それから俺達はある意味お互いを貪り、今までの何かを埋める様に求め、重なった…… ……―そして…… ギルド依頼の完了、メルやアビとの再会から早数日経っていた……。 シュトールはリリサ先生の所にあれ以来通っている様で、二人で何か新しい術式でも組んでいるようだ。 そしてエメルからのお誘いは未だ来ず、俺は色々雑用をしながら過ごしている始末で……。 こうなってくると、色々思い浮かぶ事が有ったりしてさ? そんな俺は今はベッドにゴロリと横たわってと、ある事をウダウダ考え始めていた……。 「かーちゃん……俺……会いたい。……もっと一緒に居たいし、……もっと……もっと……………………………………もっと、…………どうしたいんだ、俺は……」 そしてどうしてこう、定期的にこう思うんだ……。 俺の独り言に反応して、オッチャンが「?」と成りながら身を摺り寄せてきた。 そんなオッチャンを片手で撫でながら、俺は結局かーちゃんの事を再び思い浮かべ……、 ……夜だし、せめて……月が……見たくなったんだ……。 月を見る為に俺はゴロリと寝返りを打ち、まだカーテンを引いていない窓に視線を向けた。 「月が……赤い……」 ぼんやりとした意識を向けた静かな闇に、赤い月が浮かんでいた……。

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