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第135話 撫で好きご主人と忠犬のわんナイト -1-
俺は今度行くエメルの依頼に向けて俺は武器を新しくしようと、王都の『アレックス&ケインの武器・防具店』の"武器"側担当のアレックスさんの下へ向かった。
今度の新しいのは前よりも強度が有る奴にするぜー!
双剣の片方はそのまま片手剣として使って、違う片手剣……耐久が有るタイプが良いな! それを買って、後は何? 水着? んで? えー……と後は……???
―……とか何とかブツブツ言いながら俺は目的の店をぐるりと回って、必要な物を揃えた。
こういう時って、中心地って便利だよなぁ。何かしら店があるから揃え易い、ってね!
剣もアレックスさんに相談すれば、一発さ! 「これなんか、どうかな?」と差し出された剣を試しに振って、俺は対して違和感が無かったから即買いを決めた。そしてその足で今度は地下の鍛冶屋『ラビット・ジャンク』へ、買った片手剣の強度増々を割引券を使ってお願いした訳ですよ!!
剣が出来上がるまでの数時間は、他のお買い物……ってねー。何だか前世の買い物風景と大差ないね。よゆーよゆー。元スライムの俺、ちゃんと"人"として溶け込んでる。
そして荷物を抱えて最後にまたラビット・ジャンクへ寄り、頼んでいた物を受け取って完了!!
「うん、出来た剣も悪くないな」
俺は買った荷物を剣以外は魔法符で宿の部屋に送り、身軽に宿へ戻った。
すると丁度、一階のホールでここ最近ギルドの依頼で王都を離れていたと思われるルツと鉢合わせした。
少し埃っぽいのは、帰ってきたばかりだからだろうな。薄紫の髪が少しヨレて感じる。ま、気にする程じゃないけどさ!
「よぉ、アサヒ。今、帰りか?」
「うん、そうだよー。ルツは……"お帰りなさい"、だね? お帰りー、ルツ」
「まぁなぁ。ありがとな。……"ただいま"」
「あはは」
「ん……」
俺の言葉に相変わらず頭をくしゃくしゃと……。あー、これ、久々? 俺は好きだけどなー。
……そうだ! これは俺もギルドの依頼をすると、ルツにご報告せねば!?
俺はルツと部屋への階段を上りながら、エメルの依頼の話を抓んでルツに話す事にした。
「……そうか。アサヒ、依頼が決まったか」
「うん、今度エメル達と海洋都市に行くんだー。そこでお仕事なんだ」
「そうか。なら、宿の食堂のマキちゃんに弁当頼むと良いぞ。美味いから」
「"マキちゃん"?」
「そう、マキちゃん。ネルに言ってみろよ。飛び上がって即行で紹介してくれるぞ」
ネルは何かと元気良いからなぁ……。何だか、もう手を引っ張られて紹介されている情景が脳内に勝手に形成されていく。
「それで? 他のメンバーは?」
「ああ、それはね。エメル以外はディルとグリンフィート、シュトール……シュトールって最近知り合った魔族の子なんだ。それと、アリエント!」
「アリエント……? アイツは酒が強いから、アサヒ、挑発されても酒は飲むなよ……?」
アリエントの名前に反応して俺に、"酒"絡みの忠告をルツがしてきた……。
「ん、分かった……。なるべく……飲まない」
「アサヒ」
「る、ルツ……お、俺だって一応、大人……」
「そういうのを問題視してる訳じゃない。お前が……自由、過ぎるから……」
「?」
な、何だ? ルツ、どうしてそんな苦しそうな困った顔するんだよ?
そ、そりゃぁ、さ? 酒癖……あんま? 良くないけど……。絡むし……。その事?
「ルツ、どうしたんだよ?」
そう言って俺はルツを抱きしめた。ぎゅ、って、キツく!
一応、周りに目配せして誰も居ないって事は確認済みだから、この行為も大して目立たない。多分、大丈夫。
「……アサヒ……とにかく、酒は飲むな……」
「ん~……。ん、分かった、飲まないように頑張る。な、ルツ……んッ」
「ん、ふぁ……ッ、ん……」
さ~て、ルツに甘えよう~。頬にスリスリしたり、耳を噛んだり……。ああ……でも、もどかしなぁ……。ペロペロ。
「……ん、は……。……エメルめ……。俺を誘えよ……」
「んッ。ルツと一緒に?」
「そうだ……。アサヒと一緒なら面白そうだ」
「こうしたイチャイチャも出来るよ?俺はルツとの好き……」
「……ふ……。だな、アサヒ……」
そう、俺はルツとするの、結構好き。だって、俺を適度に甘えさせてくれるから。
そんな流れで俺はルツの唇に再び触れようとして……
―ぺし!
「……でも、これは廊下でする事じゃないな? ん?」
「ぁうッ!」
額を叩かれてしまった……。地味に痛い……。
叩かれた額をスリスリ擦りながらうるりとルツを見れば、少しニヤケ顔のルツが俺を見ていた。
「部屋に来いよ、アサヒ」
「ぅん、ルツ~。行く!」
来いと言われれば行くしかないよな!? 思いっきり抱きついてやる!
「はは……犬みたいなヤツだな、アサヒは……」
「なら、いっぱい撫でてくれよー。わうわうーわー」
「そうだなぁ……。俺の部屋でいっぱい撫でてやろうか?」
「じゃあー俺は舐めてあげるー」
「は?」
「わうわう」
わうわう言いながらルツの部屋に行き、鍵を掛けたら……スタートしても良いよな?
俺はルツの背後から抱きついて、耳元で誘いの言葉をルツに送りながら手はルツの腹と股間へ伸ばした。
「ルツ……ベッドの上でいっぱい頭撫でて?」
「…………アサヒ……」
「その間、俺が……ルツの舐めて気持ち良くしてあげるから」
「…………!?」
「俺、頑張ってルツに"気持ち良い"を御奉仕する忠犬になるよ? ……ねぇ?」
腹を撫でる片手は次第に上へと移動させ、服の中でルツの胸の下のラインをなぞる。
そしてルツとは背丈が似ているのを良い事に後ろから首筋に顔を寄せ、唇だけで小さく数回噛み付いた。
「ルツ、アソコであそぼ? そんで……気持ち良かったら……頭、撫でて?」
「アサヒ……」
「ルツぅ……。わう~」
「しょうがない奴だな……。でも、俺はとりあえず風呂入ってくるから……」
「いーよぉ、このままでー。わうわう」
「ダーメだ! ほら!!」
そう言ってルツはベッドの方を指差した。ちえー。ちぇー。ちえぇぇー~~。
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